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【ネクスト・キャピタル・パートナーズ】の変節~大義の変節(5)
コダマの核心
2012年7月13日 11:28

【ネクスト・キャピタル・パートナーズは不動産屋と同様の企業転がし屋】(後)

<従順な紫原社長は期待に応える>
 ネクスト・キャピタル・パートナーズ(本社・東京)立石さんはついていた。紫原氏が期待に応えてくれたから。内心では「紫原氏に任せて大丈夫かな」という不安を抱いていたはずだ。第一次内閣が潰れて眠れない夜があっただろう。経営者としては当然の心境である。
 どうであれ2009年2月に紫原政権が発足した。N社にしてみればこの人事は最後の賭けであった。紫原政権が都合よく実績をあげないと、もう生え抜き政権の存続は不可能であった。繰り返すが、この政権のメンバーは二軍選手陣から選ばれた連中である。彼らがこけたらアウトだ。人材が払底してしまうからだ。N社自身が自力で建設業を再生させる能力はない。表現を換えれば背水の陣であったのだ。
 救いは紫原氏が従順であるということだった。堀氏までは「栄光のさとうベネック」に所属していた故に「建設屋」としてのプライドを有していた。N社の指導から外れて我が道を突っ走る、という傾向が社風としてまだ残っていた。もちろん、プロとしてそれだけの意地を持つことは大切だ。だが会社を潰してしまえば「能なし」という批判は甘んじて受けなければなるまい。まー、堀氏は不運な星の下に生まれた宿命を持った人なのだろう。

 その点、紫原社長には独走する恐れはない。「危ない仕事はしない」と言われば一切しない。デペロッパーの仕事からは完全に足を洗った。「危ない仕事」とは資金負担をしないことである。前金を貰うことに励む。回収を早くするようにすると自ずと小さい工事に偏るようになる。赤字の工事は受けない。よく考えてみると「資本ファンド、いや再生ファンドどちらでも良い」が、そのN社が経営助言できる範囲は原則的なことしか持ち合わせていない。

 徳森氏に言わせると「経営の原理原則を叩き込まれたことにはN社には感謝する」となる。紫原社長はN社の指導に沿って金融機関には公明正大に情報説明に行く。社員達とは徹底的な議論討議を繰り返しヤル気を鼓舞する。組織が燃えあがれば結果は明白だ。2009年6月期、10年期、11年期と決算は好調になった。2011年6月期においては不良債権の償却まで漕ぎつけた。N社の立場でいえば「ようやく出口が見えた。売り先探しができる」状態になったのだ。その立役者の中心が紫原氏であった。立石氏は最後のところで粘りの運力を有していた。

 「紫原社長!!どうしてそんなに必死で頑張るの?」と質問したことがある。すると、「いやー、残ってくれた若手の社員達のために『将来性がある会社』にさせるために頑張ります」と答えてくれた。「あ、そー。それでもN社は近々、会社を転売する選択をするよ。資本の論理でホイホイと売られていいの。会社が転がされる度に若手社員達は辞めていくよ。これにはどう対処するの」と問い詰めてみた。紫原氏から明解な回答はなかった。

 「まー、この男は実質的なオーナーになる器ではないな。社員のことを考えることは本気なのであろうが、ある程度のところまでだな」と冷静な評価を下した(この予測はあとで見事に当たる)。ただ使い勝手はよい。変なこと、悪意のあることはできない人物であることは断言できる。前記した通りにN社にとって紫原氏は出口(売り握れる目途)をつけてくれた恩人なのである。

 余談であるが、退社した中堅幹部達にN社の経営手法に関してコメントを求めると、「『儲かる仕事を取れ』だけを催促する。そうなると営業ターゲットは小さくなる。営業マンもヤル気をなくすが、技術者たちも鈍くなってしまう」と異口同音に批判する。再生ファンドの指導力は批判された程度である。
 ただ中堅幹部たちを批判だけしても始まらない。前記した徳森氏の発言が的を射たとみる。事業独立しないならば、羨ましがられるゼネコンに再就職して見返して頂きたい。

(つづく)

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