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コダマの核心

【ネクスト・キャピタル・パートナーズ】の変節~大義の変節(9)
コダマの核心
2012年7月20日 11:27
さとうベネックの売却を急いだ理由(中)

<人件費圧縮でS社は利益をだしていた>
 【資料2】を参照して頂きたい。2010年、2011年両6月期の資料を添付している。加えること2012年6月期の4月までの試算表まで揃えた。
いまから説明をしていくが、2010年6月期が業績のピークで下り坂を辿っていく。この期は完工高120億に迫り当期利益は4.1億円を叩きだしている。この時点で売却したとすればどうなるのか? 本坊副社長の言い分通りにすればN社の投資額7億円プラス4.1億円×6年分=24.6億円の総計31.6億円になる。計算上、そうであってもこんな金額を提供してまで付加価値のない建設業を買収する物好きはいない。

 どうしてこんなに2010年6月期に高収益企業になったのか。
 確かにN社の原則的な経営指導が功を奏した一面はあろう。しかし、何よりも人件費が安かったことが高収益になった最大の原因だ。
 紫原氏体制が発足するときに全体的に給料の見直しを行なった。大幅ダウンとなった。もちろんボーナスはゼロ近い状態である。
 「まずは利益をだして会社を再生させる目途をつける」ことを最優先させた。元中堅幹部の証言によると「一人平均100万円は下がった」そうだ。

 確かに紫原社長の年収を尋ねたとき、「年収○○○万円」(彼の名誉の為に具体的な数字は発表しない)と聞いて驚いた。「そんなに安くてよーくまー働くね」と同情したことがある。N社の若造は紫原社長の年収の少なくとも3.5倍取っていた。このあたりの差別システムを突破する気概が欲しかった。最後のまとめで述べるが、S社の試算表をみれば必死に経営すれば誰でもが運営できる素晴らしい内容である。紫原氏もあと2億円捻出して社員達とS社の再興に挑戦できなかったのかと悔やむ。

 さて論を展開していこう。S社の社員は180人前後である。年収100万円アップすると×180人=1.8億円の人件費の増になる。そうなると2010年6月期の最終利益4.1億円-1.8憶円=2.3億円という試算になってしまう。120億円の完工高で4.1億円の利益をだす経営は卓越した企業の証である。しかし、2.3億円であれば優秀ではあるが稀ではない。ここまで論証すれば読者も理解されるだろう。「今後、人件費が増えていくことは成り行きだ」と読まれはずだ。

 社員間との取り決めは確かにあるはずだ。「儲けに対するボーナス分配」である。再生1期目は誰でも無我夢中で献信性を尽くす。2010年6月期の1期目に利益がでる。そうなれば2期目の決算内容次第では社員たちがそれぞれに自己査定の胸算用を持つのは自然の流れである。
 2011年6月期は減益であったが、1.3億円の最終利益をだした。不良債権の償却の目途もつけたようだ。この決算期の特徴は土木部が収益の大半を稼ぎだした。建築部門は価格競争の波に呑まれて悪戦苦闘したのは市場の成り行きである。

(つづく)

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【資料2】
さとうベネック表2.jpg
さとうベネック表1.jpg


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