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ご意見「領土問題、私はこう思う!」(後)~濱口氏著作プレゼント企画
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2012年9月13日 16:13

 濱口和久氏の著作「だれが日本の領土を守るのか?」の読者プレゼント企画は、9月7日に応募を締め切らせていただきました。たくさんのご応募ありがとうございます。同企画でいただいた日本の領土問題に関するご意見のなかから、いくつか紹介させていただきます。なお、プレゼントの当選発表は、発送をもって替えさせていただきます。

■井上 政典 様
 いつの頃からだろう、「一生懸命」というようになったのは?

 本来であるならば、「一所懸命」といわなければならないのに・・・。

 ざっと調べてみると、戦後にこの一生懸命という言葉が一般的になり、最近は東北の被災者が発音では明らかに「いっしょけんめい」と発音しているのに、テロップで「一生懸命」となっています。

 一所懸命の語源は、鎌倉武士が自分の所領を守るために命を懸けたというところからきていますが、この言葉がだんだん隅に追いやられる毎に日本の領土領海が他国から侵されているのではないでしょうか?

 日本の領土問題を大上段に構えるのもいいですが、このように小さな言葉の侵略が始まっており、日本人の思考体型のなかから、「争いを避けるためにちょっと位だったらいいんじゃないの」と思わせる気持ちが芽生えているような気がしてなりません。

 まずは、「一所懸命」という正当な言葉をメディアや言論人が意識的に使うようなキャンペーンを張るべきだと思っております。ちなみに私にメールやタイムラインに「一生懸命」と書き込んできたら、速攻で訂正するように返信しています。

 日本の領土という地政学的な領土問題もそうですが、知的な侵略も現在脅威にあることを皆さんにわかってもらいたいと思っております。

■本山 貴春 様
 最近、急に領土問題が騒がしくなった。日本が抱える、「領土紛争」には対露、対韓があり、中国共産党政府はわが国の尖閣諸島領有をめざし策動を続けてきた。それらは、昨日今日始まった問題ではない。にも関わらず、なぜこうも、連日マスメディアを賑わすようになったのか。領土守れの世論が沸騰し、8月24日には国会で韓国や中国を非難する決議が採択されている。

 直接の原因は、外圧である。韓国大統領は史上初めて、侵略地である竹島を訪問した。また中国の自称活動家たちがわが国の領海を侵犯し、国土に不法上陸した。これらの「事件」に対して、わが国政府の対応は後手後手に回る。そして速やかなる実効的対抗手段が打たれることはない。

 表象だけを見るならば、いままでと大して変わらない。韓国大統領が上陸したとはいえ、韓国は年々実効支配を強化して来たし、尖閣に中国人が上陸したのも初めてではない。にも関わらず、この頃の世論の沸騰具合は、これまでと違うように思えてならないのである。

 私は学生の頃から国民運動の一端に関わってきたので、このような世論の変化は大歓迎だ。日本国民の多くは政治に無関心で、国土が侵略されても、国民が拉致されても、何ら反応を見せて来なかった。いざというときは政府が何とかしてくれるさ、自分たちは生活のことで頭がいっぱいだよ、というのが大半の国民のスタンスだった。国防についても、こちらから戦争を仕掛けなければ、外国から攻められることなんてない、と皆が無邪気に信じていた。

 世間が常識と考えていることに異を唱える、ということは簡単なことではない。ましてやその常識を変える、ということは、個人の力でできることではない。だから私たちは時に、外圧によって世論が変わることを望んだ。たとえば、「北朝鮮や中国からミサイルの1発も飛んで来れば、日本人は目覚めるのではないか」などと。

 ここ数年になって、領土問題をめぐる当事国の挑発がエスカレートしている。たしかに領土問題というものは世界中にあり、国家間の大きな紛争要因となっている。しかしわが国が抱える領土問題はそれら「普通の国」の間の領土問題とは性質を異にするのではないか、と私は考えている。それは、当事国の挑発が度を越しているように思えるからである。

 領土問題というのは、結局はパワーバランスの結果でしかない。領土を巡る国際法の理念も、武力をもって国土を防衛し、あるいは奪還することに大義名分を与えるものである。さまざまな外交交渉も、武力が背景にあってこそ交渉になるのであって、パワーバランスが崩れたら交渉にならないし、いくら正当性を主張しても力で併呑されたら負けである。そのような例は世界中にいくらでもある。国家の歴史とは侵略戦争の歴史である。人類の歴史とは、殺し合いの歴史なのだ。ロシアや韓国のような挑発行為を別の国が受けたら、戦争になっただろう。また、領海への侵入者は射殺されて終わりだったろう。

 ロシア、韓国、中国の挑発的外交によってたしかに世論は変わり始めた。これまで日本国民が信じ込んできた外国への幻想が破られつつある。だからといって安穏とはしていられない。ここで私たちが考えるべきは、なぜ周辺国のわが国への挑発がエスカレートしているのか、である。韓国・李明博大統領は、竹島に不法上陸した数日後に(日本の国際社会での影響力は)「昔と同じではない」と述べた。つまり、日本の国力が低下しているので、叩いても問題ないという認識を示したのだ。

 たしかに日本を含む先進国は衰退への道を歩んでおり、中国を始めとする諸国の勃興が著しい。韓国も日本に比べると勢いづいているように見える。しかしそれだけが、エスカレートの原因だろうか。私は、極東に「力の空白」が生じつつあるのではないかと考える。すなわち米軍の縮小と撤退だ。ある米大統領候補は在日米軍撤退を公約に掲げ、支持を拡大していると報じられているが、国外に展開する部隊を徐々に撤退することは、現在の米国の既定路線だ。わが国の普天間基地をめぐるごたごたも、背景には海兵隊のグアム移転計画がある。

 アメリカは世界の保安官であることを止めようとしている。いや、止めざるを得ないのである。それだけ覇権国・アメリカは衰退しつつある。米国民は、自らの税金を自分たちのためだけに使うよう、政府に要求する権利を持っている。今後在日米軍は縮小し、米国が日本の安全を保障することもなくなるだろう。そして否応なく、中国が極東の覇権国となるだろう。

 いま起きている領土問題の本質は、アメリカの後ろ盾を失ったわが国に対する、周辺国の挑戦と見るべきではないだろうか。そのようななか、国内の右派は日米同盟(そんなものはないが)強化を叫ぶ。左派は相変わらず非武装平和の念仏を唱える。どちらに立っても国力は衰微し、覇権国・中国の属国への道を辿ることになるだろう。

 韓国大統領や中国活動家の無法な行動によって、いまようやく日本国民は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持」なんてできないんだという世界的常識を知りつつある。というか、知らねばならない。やっと日本国民は敵を憎むようになったが、敵とどう向き合うべきかを知らない。これまで敵を作らないように、とばかり考え行動してきたのだから当然だ。

 このまま頭に血が上った状態で外国を罵り続けたところで、状況は変わらない。なぜわれわれは舐められるのか、冷静に自己分析すべきだ。ずるずるとアメリカの属国という地位に安住してきたツケが、いま払わされようとしている。自主的な国家安全保障を築く努力を怠ったツケである。そしてこのまま支那の属国になることに、日本国民は耐えられるだろうか。アメリカが日本国民に与えた見せかけの自由すら、中国共産党は与えないだろう。

 いまわれわれがとるべき道は、日本独立である。自由を守るために、力を獲得せねばならない。幸い、まだ日本には諸国と伍するだけの潜在力がある。自衛隊の実力は、周辺国に遜色ない。問題は、意志なのだ。力を行使する意志。これを持つ決断を、いま日本国民は迫られている。

 貴重なご意見ありがとうございました。一部の表記や構成などについて、NET-IB編集部で校正させていただいております。

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▼関連リンク
濱口和久の「本気の安保論」
・竹島問題と領土紛争の解決方法(前)


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