尖閣諸島の国有化をめぐり、日本歌手やスポーツ選手の中国での公演キャンセルや出場辞退が相次いでいる。そうしたなか、中国国内で活動する日本人タレントの活動にも影響が出始めている。北京の情報筋によると、中国テレビ界で俳優として活動する矢野浩二さん、文化人の佐藤愛さん、番組プロデューサー兼司会者の吉松孝さんらは、中国で決まっていた番組出演の予定を見送る形となっているようだ。
矢野さんは自身のブログのなかで、「現在は部屋に閉じこもっている状態。このような状況が非常に悔しく残念」とコメント。佐藤さんは「内心、非常に悔しく複雑な思いでいっぱいだ」ともどかしい様子を綴っている。
尖閣諸島の国有化で日中関係は急速に悪化。すでに歌手の谷村新司さんのコンサートがキャンセル。北京で予定されていた「ドラえもん展」は延期、ロンドンオリンピックの卓球団体、銀メダリストの石川佳純選手は、湖北省で開催されるワールドカップ出場を辞退するなど、芸能界、スポーツ界への影響が深刻化している。
9月30日からは、中国の祝日にあたる中秋節と国慶節で大型連休となる。にもかかわらず、観光の分野でもキャンセルが相次いでいて、今後も各方面への影響が懸念される状況だ。
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