<30億ドル、30カ国以上の1,100社が投資!>
西安ハイテク産業開発区
西安は2つの顔を持っている。今まで、紹介してきた"古都"の顔とこれから紹介する"ハイテク都市"の顔である。"シルクロードの入り口"として知られる西安は、国家一大プロジェクトの西部大開発の中心地でもある。
西安ハイテク産業開発区は、中国国務院の承認により1991年6月に設立。計画面積は307km2、開発面積60km2を超える中国最大の開発区の一つである。特に電子情報産業、精密機器製造産業、バ イオ医薬産業、新材料産業といった分野に力を入れている。現在、同開発区は国家ハイテク産業開発区(全中国で54区)指定の重点モデルゾーンの一つで、総合評価では北京、上海、深圳に続く第4位である。陝西省の富裕層の8割が同開発区に住んでいるといわれている。
西安ハイテク産業開発区の一部を構成する西安ソフトウェアパークは99年に中国科学技術部より「 国家重点計画ソフトウェア産業基地」に認定、2001年には、国家計画委員会、情報産業部より「国家ソフトウェア産業基地」の認定を受けている。
海外からは、30カ国以上の1,100社が投資し、資本金総額は30億ドルを超えている。現在、世界トップ500社の企業や有名グローバル企業が100社以上進出している。
日本からは、東芝、ブラザー工業、NEC、NTTデータ、富士通、デンソー、ダイキン工業、横河電機、古河電工等が進出している。主な海外の進出企業は、インテル、IBM、GM、コカコーラ、シーメンス、ロールスロイス、ABB、ボルボなどが挙げられる。
人的資源面では農村地帯から低コストで労働力の調達が可能であり、同時に、高度ハイテク人材(修士、博士)については、大学や研究機関などからの調達が容易になっている。従来、インフラ面はこの地域のネックとなっていたが、西部地域の交通網の整備は着々と進み、交通アクセスの問題は解消した。同産業開発区内の製品輸出企業に対する税率は10%、ハイテク企業に対しては15%という税制面の優遇措置を敷いている。
<入場者150万人、3000億円の商談が成立!>
楊凌農業ハイテク産業モデル区
西安市内から車で約1時間30分、中国で唯一、「農業」に重点を置く国家ハイテク産業開発区である楊凌(中国農業発祥の地)がある。同地では中国国家レベルのテクノ関連の4大博覧会の一つ、「中国楊凌農業ハイテク成果博覧会」が開かれる。毎年、5日間の開催期間中、27の国および地域から約150万人が会場を訪れ、約3000億円もの巨額な契約商談が成立している。 中国国内では、北京、上海など全国各地から多くの関係者が出展、商談で参加、海外からはアメリカ、フランス、カナダ、オーストラリア、日本等が参加している。
同地視察の際、案内・説明をいただいた1人は、日本から盆栽技術指導に来ていた青年だった。記者は盆栽というのは日本古来のものと思っていたが、ルーツは中国の盆景(唐時代)にあるという事だった。現在では、日本の技術の方が、より進んでいるらしい。
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