<原発抜きのエネルギー革命>
――環境問題、エネルギー政策に関してご意見をお聞かせ下さい。
川内 エネルギー政策に関しては、阪神淡路大震災、東日本大震災と20年間の間に「大震災」が2回も起こっています。地震、津波、活断層のことを考えれば、日本で原発は無理であることは、誰が考えても明々白々なのです。
首都直下型、東海、南海と地震がもうすぐ来ると政府が言っているのに、原発の再稼働をすることは、正常な感覚ではあり得ない話です。エネルギー政策は電力が足りないというのであれば、原発を天然ガスのコンバインドサイクルにリプレイスして、供給を補うことも可能です。
エネルギー政策を原発抜きにして考え行動を起こすことが日本のイノベーション革命につながるのです。廃炉の技術とか使用済み燃料棒の最終処分をどうするかというところに技術開発の叡智を結集していくことが大事です。
今後の日本に世界的ビジネスを発展させていく意味においても、悪い事承知で、原発を東南アジアの新興国に売るより、廃炉とか使用済み燃料棒の処理方法を開発するほうがはるかにビジネスにもなるし、世界に貢献できます。
話は変わりますが、米軍の再編成問題にしても、防衛省は官僚利権、米軍利権を守るために、海兵隊は沖縄、沖縄と言っています。しかし、米国政府そのものが、もう辺野古は無理だとわかっているのです。
アジア全体で、膨張する中国には対応していかなければならないことは事実です。沖縄の海兵隊は、グアム、テニアンに移駐させると、米国は半ば方針としてきめているのです。そこに、日本もアメリカを支援していけばよいのです。そうすれば、必然的にオスプレイの配備も不要になってきます。全体を見て、政治判断をしていかなければいけません。
――その場合、政治家の役割はとても大きいと言えますが、なぜそれが実現できないのでしょうか。何がたりないのでしょうか。
川内 それは、政治家としての「覚悟」だと思います。国民は福島原発を経験して、脱原発を実現しています。今年の夏でもわかるように原発は必要ありません。
国民にとっても、原発が必用ないことはわかっているのです。我々政治家はこれを続けようとするだけでよいのです。続けながら、廃炉の技術や使用済み燃料棒の廃棄処分方法を技術開発していきますと言えばよいのです。関連する自治体に関しては、今までの御礼とともに、今後の方針を明確に伝え約束すればよいと思います。関連自治体も、原子力発電所や使用済み燃料棒の工場が必要なわけではなく、財源や地域振興策が必要なだけなのです。日本は根本から変えないといけません。
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