＜５カ月で株価は３倍に推移新たな価値開拓のITベンチャー＞
　11月13日、東証マザーズ市場の（株）パイプドビッツ（証券コード3831）が、一時値幅制限の上限となる「ストップ高」まで買われ、882円の年初来高値を更新した。野田首相が年内に衆院解散に踏み切る意向を固めたと伝わるなかで、選挙関連銘柄の一角として思惑的な物色が強まった様子だが、火のないところに煙は立たない。ITバブルから15年が経ち、インターネットの役割が増すなかで、徹底的なユーザー視点から新たな価値を開拓してきたITベンチャーに、次世代モデルを直感する人は少なくない。なお、この記事内容は企業情報の提供を目的としたもので、投資等の勧誘を目的としたものではないことを予めご留意願いたい。

＜現場に役立つIT活用のセオリー＞
　（株）パイプドビッツは、企業が持つ顧客情報や取引先情報、あるいは社内情報を安全に預かりながら、それらの有効活用を支援するサービスを提供している。具体的には、ユーザー企業は、メルマガ配信、アンケート調査、問い合わせ管理などのアプリケーションソフトを利用し、収集した顧客情報をパイプドビッツがデータベース化して預かる。IT活用とはそれらのデータ情報はさまざまな情報処理をすることで、これまでなかった商機が浮かび上がるため、その情報に基に現場で対応する。これが現場に役立つIT活用のセオリーである。

　また、この方法だと、企業側でソフトウェアのインストールやアップデート、保守管理業務が一切発生しないうえ、顧客情報流出のセキュリティリスクなどを低減することができるのも大きな特徴となる。

　同社の2013年２月期決算の会社予想では経常利益41.5％増と、同業種平均（5.3％）や市場全体平均（5.87）を大幅に上回る増益率で、PLで売上高23億円、営業利益3.2億円、経常利益3.2億円、当期利益1.8億円と増収増益の見通しだ。

　９月27日、同社が発表した13年2月期の中間決算では、経常利益が１億4,200万円と、事前の会社側の予想値1億3,000万円を9.2％上回る水準となったが、通期の業績予想は前回予想を据え置き、経常利益で41.6％増益の３億2,000万円を予想している。東証一部の時価総額指数やマザーズ指数が膠着するなか、同社は５カ月前に比べて約３倍の株価水準で推移している。

＜実行現場のIT活用事例「政治山」でのネット調査＞
　去る10月25日、石原慎太郎都知事の辞任および衆議院出馬会見を受け、政治・行政の情報をストックし、後世に引き継ぐ政治情報サイト「政治山」が、ネット意識調査を活用して都知事選・衆院選に関する意識調査を実施した。対象は都内在住の20歳以上の男女。都知事選に向けた投票意識や次期都知事へ期待することのほか、衆院選での候補者選びのポイントを詳細に聞き、その調査結果を分析して「都知事選に関する意識調」、「石原都政への評価」、「衆議院選に関する調査結果」を31日に同サイトで公開している。これこそ、実行現場のIT活用事例と言えるだろう。

　【資料１】を見ていただきたい。これは政治山のコンテンツページから抜粋したものだが、これを見ただけでは、大手メディアが実施する世論調査に劣らない意識調査に映る。むしろ、【資料２】のように、調査概要のほかにインターネット調査ならではとして、回答者の属性情報を詳細に示すことができる。そのため、電話や街頭で行なわれる直接的な意識調査よりも、主体的な回答だけが集まるインターネット調査の方が、より信頼できる情報と言えるのかもしれない。

【資料１】

【資料２】

＜COMPANY　INFORMATION＞
■（株）パイプドビッツ
代　表：佐谷　宣昭
所在地：東京都港区赤坂2-9-11
設　立：2000年４月
資本金：３億1,566万7,000円
売上高：（12/2）17億8,800万円
ＵＲＬ：http://www.pi-pe.co.jp/

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