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脱原発・新エネルギー

ソフトバンクエナジー、公約「200メガワット」が現実味(後)
脱原発・新エネルギー
2013年3月22日 07:00

<農地法など課題も残る>
 ソフトバンクがメガソーラーの構想を打ち立てた11年の「自然エネルギー協議会」で、孫正義社長は、「自然エネルギー事業は、雇用創出の宝庫でもある。多くの事業者が手を挙げてくれるのが望ましい」と、語っている。遊休地の有効活用、パネル設置、架台や系統接続のための電柱増設などの工事、運転までの過程で、遊休地のままであれば、生まれなかった経済効果を生み出している。
 ただ、さらなる普及拡大には、多くの事業者の参入が欠かせず、そのためには、クリアしなければならない課題もいくつか残っている。
 土地確保に関して、農地法も障壁の1つだ。「今後、さらに事業者が参入しやすいように、農地法、工場法などの規制緩和をしてもらわないといけない。制度を見直してもらうように働きかけていく。そこを見直せば、事業者がもっと参入する余地が出てくる」(ソフトバンクエナジー広報室)と、現行法では、農地のメガソーラーへの転用はできず、規制緩和をさらなる普及拡大への第一の改善点と見ている。

<固定買取価格は引き下げ>
kyoto_s.jpg また、12年7月にスタートした再生可能エネルギーの固定買取価格制度によって、多くの新規参入事業者が出てきたが、太陽光発電にかかる設備投資費用は普及拡大とともに年々、下がっているため、買取価格も下がることになる。すでに認可を得ている施設に関しては20年間固定での買取になるが、新規参入に関しては引き下げられた価格が適用される。4月以降の認定分から、非住宅用で42円から37.8円(税込)に引き下げられる見通し。新規参入する事業者にとっては、引き下げはマイナス要因となる。引き下げられた後に設置したメガソーラーでも安定的に利益を上げられるかどうかが、長期的に太陽光発電事業を継続、拡大するためのポイントとなる。

<技術向上とコスト削減>
 京セラ、三菱電機、パナソニックなど太陽光パネルを製造するメーカーによる技術向上、コスト削減も、今後のさらなる太陽光発電普及に欠かせない。それとともに、太陽光発電施設の運転開始までには、パネル設置だけでなく、系統に接続するための電柱の増設、保守・メンテナンス、発電能力を低下させないための除草、敷地の警備など継続的に発電するための手間もかかる。長年、実用した際に、どの程度の経年による劣化があるのか。未知の部分もある。

 日本のエネルギーシフトは進んでいるものの、自然エネルギー先進国の欧州に比べると、まだまだそのスピードは遅いという。「普及のペースはドイツに比べると10数年は遅れている」との見方を示す専門家もいる。太陽光パネルの技術的な向上とともに、インフラ整備、設備改修などの"経験"も積んでいかなければならない。

<自然と長く共生する>
 3.11の福島原発事故をきっかけに、ソフトバンクの自然エネルギーへの取り組みは第一歩を踏み出した。孫社長は、京都ソーラーパークが運転を開始した昨年7月、「長い目で見れば、再生可能エネルギーは一番、発電コストが安くなるのではないでしょうか。長く、地球と人類が共生できる自然エネルギーこそ最終的な答え」と、述べている。
 東日本大震災後、2年を経て、ソフトバンクの「自然エネルギー普及のきっかけづくり」「目標200メガワット」という2つの公約は、実現へと着実に近づきつつあるが、日本の自然エネルギーへのシフトは、まだ始まったばかりだ。

(了)
【岩下 昌弘】

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