中国・浙江省で新型鳥インフルエンザウイルスが発生し、人への感染が明らかになった。男性2人が死亡したにもかかわらず、中国政府が発表したのはそれから約3週間後で、政府当局の情報公開の遅さがまたも露呈している。
新型鳥インフルエンザによる感染者は死者を含めて3日までに合計9人。最初の発生は2月19日だったことがわかっている。政府は全容解明に力を注いでいるだろうが、いまだに感染源は特定されていないし、特効薬についても不明だという。
日本の外務省のホームページによると、中国全土での鳥インフルエンザの感染状況には特段の異常は確認できないと報告されていて、中国への渡航の際には、「鳥や猛禽類には近づかない」「手洗い・うがいの励行」などの注意事項が掲載されている程度だ。しかし、これは中国政府当局の情報を拾っているに過ぎず、中国版ツイッター・微博では、「政府の情報は全くアテにできない」「本当はもっと多いのではないか」など、懸念の声が数多く挙がっている。
習近平政権になって、政府当局の情報公開のあり方が問われてきている。発表の遅れから、世界的な大流行へと発展してしまったSARSの二の舞にならないよう、今回の事態は新政権にとっても、正念場になるかもしれない。
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