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新こども病院・汚染土搬出 隠ぺいの上にウソを重ねる福岡市
社会
2013年4月17日 07:00

高島宗一郎 福岡市長 福岡市東区の人工島「アイランドシティ」に建設が予定されている市立こども病院。その予定地において昨年10月から12月にかけ、土壌汚染対策法(以下、土対法)に基いた土壌搬出が行なわれていた事実を16日朝、福岡市の調査報道サイト「HUNTER」や朝日新聞が報じた。
 この事実を市が公表しなかったのはなぜか。また、過去にヒ素が検出されていたという事実を、市民の間で反対意見も強かった「こども病院移転計画」のプロセスを検証する第3者委員会に報告しなかったのはなぜなのか。高島市長は16日の定例記者会見において、記者から質問を受けるかたちで説明を始めた。

 その説明によると、「ヒ素が検出されたことは2005年に公表済」、「誤って食べたり、吸い込んだりしたとしても健康上の問題はない」、「2010年の土対法の改正によって規制の対象となり、土壌搬出が必要となった」ことなどから、新こども病院の用地選定に影響を与えるレベルではないと判断したという。検出されたヒ素は自然由来とされており、土壌含有量は土対法が定める基準150mg/l の10分の1以下。しかし、水に溶け出す量については、土対法の基準0.01mg/l の1.4倍となる0.014mg/lであったという。また、「問題ない」ということを市民に説明すべきではないか、という質問に対して、高島市長は、「(こども病院の候補地選定において)市民が考慮すべき情報ではなかった」との認識を示した。

 しかし問題は、健康への影響だけではないはずだ。この土壌搬出には、いずれ市(市民)が負担をせざるを得なくなる大金が費やされている。

<費用負担については協議>
 新病院建設を担う地方独立行政法人 福岡市立病院機構(10年4月設立)によると、土壌搬出などの工事にかかった費用は約5,800万円。この費用については予定しておらず、とりあえず同機構が業者に支払ったが、半分を市に負担してもらうように今後協議を進めていく方針という。

 市が負担する場合、言うまでもなくその原資は市民の血税である。半額負担で約2,900万円となる予定外の出費について、公表せずに済むはずがない。

 「土壌搬出等工事は、当初からスケジュールに盛り込んでおり、病院の建設工事への影響はない」というのが市側の言い分。しかし、病院機構は、土壌搬出が当初の予定になかったことをNET-IBの取材に対して認めている。
 そもそも、その費用について市と同機構が協議を行なうこと自体、当初の計画に予定していないことの証左ではないだろうか。予定していれば、当然ながら、費用をどこが負担するのかも決まっているはず。福岡市南区在住の30代男性は、「わかった時点で一旦ストップして公表すべき。ウソをつき続けることになる」と、隠ぺいの上にウソを重ねる市政に不信感を募らせている。

【山下 康太】

◆HUNTERの報道はコチラ。


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