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高島市長に面談要望、保育士、保護者ら「想いを伝えたい」~中央保育園移転問題
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2013年6月25日 12:41

「子どもたちを守りたい」という想いを高島宗一郎福岡市長は受け止めないのか。24日、福岡市中央区にある中央保育園の移転計画に対し、現在の移転候補地に反対する同保育園の保育士や保護者ら約40名が記者会見を開き、反対意見および高島市長との面談を要望する旨を表明した。

<問題だらけの移転候補地>
中央保育園移転問題(24日記者会見) ラブホテルやパチンコ店が立ち並ぶ福岡市中央区今泉1丁目の一角に移転される予定の中央保育園(運営:社会福祉法人福岡市保育協会)。「待機児童の解消」を大義名分に掲げ、定員を300名へ拡げての移転計画だが、移転候補地は、交通量が多く、幅5.5メートルと狭い一方通行道路に面しており、非常事態発生時における避難経路の安全性が疑問視される。さらに、もう一方向の避難経路は、パチンコ店のなかを通るかたちとなっており、その途中にあるのは60センチの段差。そもそも、パチンコ店自体が人の集まる場所であり、非常事態発生時にはパチンコ店の客や店員も避難しなければならず、また、パチンコ店の排気ダクトから出る排気による子どもたちの健康への影響も懸念されている。

 「職をかけてでも阻止したい」という同保育園主任保育士の鶴田敦子氏とともに会見に臨んだのは、保育士や給食員ら23名と、在園児や卒園児の保護者ら約20名。鶴田氏によると、昨年(2012年)7月、「法人としてあそこを受けるか、(保育園を)やめるか」と告げられ、職を失う不安から反対意思を表に出せなかったという。しかし、立場を気遣って職員に何も言わない保護者らに触発され、今年(13年)5月、園長に対し反対意思を表明。同保育園ではほぼすべてと言える42名の職員が、現在の移転候補地に反対しているという。会見に同席した保育士は、「朝昼夜、移転候補地の周辺をずっと歩いて見て回ったが、1日を通して交通量は減らない」として、「子どもたちがパニックになったら、避難することは非常に厳しい。かけがえのない命をとても守れないと痛感した」と訴えた。

中央保育園移転問題(前面道路) 教育面、安全面ともに問題が多すぎると言わざるを得ない移転計画だが、一方で、移転候補地をめぐる疑惑まで浮上している。同日開かれた福岡市議会では、共産党市議団の星野美恵子市議が土地購入の経緯について質問。市側は、11年5月に市職員が移転候補地を検討し、同年7月、市政運営会議で移転候補地が決定。そして今年(13年)4月、8億9,900万円で福岡市が同地を所有していた福岡市の不動産業者(株)福住から購入したとしている。既報の通り、土地登記では(株)福住に同地の所有権が移転したのは11年9月。移転候補地の検討段階で市職員が当時の土地の所有者に何も相談しないまま、勝手に検討を進めたのかどうかが疑問視される。

<強硬姿勢を見せる福岡市>
 保護者らは18日、市へ高島市長への面談を希望していた。しかし、受けられないばかりか、高島市長は翌19日に定例記者会見で、特定の人が直接会うことは「フェアではない」と拒否理由を説明。24日の市議会においては、移転計画を所管する市こども未来局・吉村展子局長が、現在の移転候補地で「健全な保育は可能」とした。さらに、高島市長は、土地購入の経緯について調査を求める市議の要望には答えず、「中央保育園移転は着実に進める」と発言。福岡市の一連の対応に、保護者からは「あまりに子どものことを考えていない」と怒りの声があがっている。高島市長との面談を強く願う保育士や保護者らを無視するかたちで移転計画は進むのか。一体、誰のための移転計画なのか、福岡市の保育行政の本質が問われている。

【山下 康太】

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