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福岡市議会の情報公開、動画OKも音声NG?
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2013年5月 8日 10:42

fukuoka_sigikai_img.jpg 福岡市議会で昨年10月に行なわれた決算特別委員会で議会事務局により録音された音声をホームページで公開していた市議が、議会事務局を通じて、公開の取り消しを求められていたことがわかった。同市議会では、すでに本会議において、インターネットでの生中継および録画放映を実施しているが、条例予算特別委員会、決算特別委員会、常任委員会などでは要点をまとめた議事録が公開されているのみとなっている。

 取り消しを求められた高山博光市議会議員(城南区)は取材に対し、「市政について市民に報告を行なうのは、市議の大切な仕事の1つ。同じ内容を紙などで伝えようとすれば膨大な量になり、どれだけ費用がかかると思っているのか。インターネットが普及した今の時代において、考え方が古すぎる!」と、憤りを隠さない。

 一方、議会事務局は、「決算特別委員会などでの録音は、地方自治法上の公式記録である議事録を作成するために要点メモの補助用であり、公式なものではない」と説明。非公式のため公開できないという。しかし、本会議の録画についても「この映像及び音声は、福岡市議会の公式記録ではありません」と、注意書きをした上で公開されており、同じ非公式の記録にも関わらず、なぜ動画が良くて音声がダメなのか、理解に苦しむ。

 取材でわかったのは、放映される録画と補助用の録音における編集の有無だ。編集ができない生中継と違い、放映される録画は、議会において「発言取り消し」があればカットされる場合があるという。一方、高山市議が公開した補助用の録音は編集がされていない。
 市民が見やすいようにとの配慮から、何もないシーンのカットやテロップの表示といった、ある程度の編集は必要かもしれないが、市議会が『開かれた場』である以上、編集した部分の明示、さらには未編集の録画・音声も希望があれば視聴できるようにしておくべきである。また、手が加えられた議事録よりもそのままの録画や音声のほうが、真実に即したものであることは間違いない。

<ようやく1歩前進、5月下旬からYou Tubeで公開>
 市議会の情報公開については、市議会の各会派代表で構成される広報委員会で検討される。今回の音声公開の禁止については法的根拠がなく、会派間の申し合せでまだ認められていないだけという。

 2007年の9月議会から開始された本会議の生中継および録画放映は、仕事などで傍聴できない市民にとって、市政の情報を得る貴重な情報源である。もちろん、その検討を行なう際、公開する範囲についての議論がなされているはずであり、6年近く経ってなお、その他の委員会における検討を続けてきた背景には、情報公開に対する消極的姿勢を感じずにはいられない。また、他の自治体を見ても、委員会を含めて市議会の生中継や録画放映を行なっているところは珍しくなくなっている。

 広報委員によると、5月23日から開かれる臨時会以降、本会議および条例予算特別委員会、決算特別委員会については、動画共有サイト「You Tube」で視聴できるようになるという。今後、公開の範囲や方法がどのように変わっていくのか、福岡市議会の積極的な姿勢に期待したい。

【山下 康太】


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