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原発「凍土壁」は巨額の実験??~廃炉ビジネスで稼ぐ鹿島建設
脱原発・新エネルギー
2013年10月 9日 14:42

 福島第一原発の放射能汚染水の相次ぐ漏洩に対し、東京電力の打つ手は後手に回っている。汚染水対策は「モグラ叩き状態」(東電・広瀬直己社長)だ。「凍土遮水壁」に汚染水漏洩の恐れがあるなど技術的に未確立なまま、国は320億円の建設費用を投じようとしている。10年以上という長期間の運用実績もなく、いわば実証実験的な建設プロジェクトであり、巨額の税金を投入した「モグラ叩き」、壮大なムダ遣いになりかねない。

kasima_siryo_s.jpg 凍土遮水壁の建設費は、「公募中なので、事業者の提案次第」(経済産業省原発事故収束対応室)とはいうものの、政府が9月3日汚染水対策の基本方針を決定した際には、トータル320億円を国が支出するとしている。維持費について、原発事故収束対応室は、NET-IBの取材に対し、「確定的な数字ではないが、年間数億円程度」という見通しを述べている。原発問題に取り組んでいる関係者には「年数十億円かかる」という見方もある。
 凍土遮水壁というのは、地中に打ち込んだ凍結管に特殊な冷却材を循環させ地中の水分を凍らせる工法で、冷却するための莫大な電気が必要になる。発電できなくなった原発が莫大な電気を消費して「電力不足」を加速する皮肉な話だ。「福島の汚染水漏洩を防ぐためには、電力不足に陥らないように原発を再稼動しないといけません」となれば、原発再稼動を急ぐ東電には、追い風かもしれない。

 経産省原発事故収束対応室によれば、凍土壁の受注業者は鹿島建設に決まっているわけではなく、公募結果で決まる。スーパーゼネコン各社が、トンネル工事の際、地下水流入を防ぐために凍土遮水壁の技術を持っているが、鹿島建設が最有力と見られている。経産省汚染水処理対策委員会で同方式を提案したのが鹿島だからだ。

 汚染水処理対策委員会は非公開で、議事録も非公開。議事概要が公開されることになっているが、4月に開催された第1回のものしか公開されていない(10月8日時点)。遮水壁として凍土方式を最適とした議論の経過がうかがうことはできない。非公開の理由について、経産省原発事故収束対応室は、「企業秘密、技術情報もあり、闊達な意見交換の妨げにならないため」と説明する。
 鹿島建設は、福島第一原発1~6号機の原子炉建屋を建設し、事故後は、除染モデル実証事業、がれき搬送など、事故収束・震災復興ビジネスで稼いでいる。原子力ムラの一員として、今後数十年に渡る廃炉ビジネスにも積極的に関与する見通しだ。

 「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」代表の小山英之氏は「鹿島に多額の税金が注がれるだけになるのではないか。なぜ凍土方式が選ばれたのか、経産省内の決定過程は、秘密のベールに包まれている。凍土方式の検証が必要だ」と指摘する。

【山本 弘之】

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