福岡市が車体費用のうち1億4,789万円を補助し、(株)西日本鉄道(以下、西鉄)が2012年3月24日から運営している屋根なし2階建てバス「フクオカ オープントップバス」が収支不明であることが福岡市議会の決算特別委員会で明らかになった。市民の血税を投入した補助金事業としてのあり方が厳しく問われる。
7日に開かれた決算特別委員会で、みらい福岡市議団の平畑雅博市議(早良区)が同事業の収支について質問した。市側(経済観光文化局長)は、「人件費やメンテナンス費用でその他のバス事業と共用経費が多く、オープントップバスだけの収支を出すのは困難」と、西鉄側が説明していると答弁。数字は出せないものの、西鉄は「収支は均衡」としているという。平畑市議は、西鉄まかせでよくわからないという状況が「補助金のあり方として良いのか?」と疑問を呈した。
市側の答弁によると、「フクオカ オープントップバス」には、2012年度、プロモーション用のリーフレットや外国人向けフリーペーパーの広告、バスの車体広告などに計324万3,000円、国の緊急雇用創出の一環として行なわれた同事業に関連する観光コンシェルジュの配置に計1,596万円を投じたという。車体費と合わせて約1億6,700万円が、市民の血税から投入されたことになる。
9月20日に利用者が10万人を超えた「フクオカ オープントップバス」は、2台で1日計10便運行されており、運賃は大人1,500円、小人(4歳以上、小学生以下)750円。つまり、利用者10万人の時点での売上は最大1億5,000万円。西鉄側の負担は、車体費用2億989万5,000円の残り約4,300万円。2012年度は、PRに関しても市税から助成されているため、2台1日計10便の運行を考えると、「収支は均衡」とはにわかに信じ難い。
市民の血税を投じた事業が「収支不明」と平然と言う髙島市政について、福岡市民からは「不透明な状態を放置するとは『無能』としか言いようがない。市税を納めるのがバカバカしくなった」(50代男性)と怒りの声もあがっている。なお、福岡市と西鉄は10日、利用者10万人突破を祝うセレモニーを開催。同イベントの費用は、西鉄の全額負担になっているとのこと。
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