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東日本大震災の被災ペット200匹を福岡へ~(社)UKC JAPAN
東日本大震災
2013年11月22日 14:55

 東日本大震災の発生から約2年8カ月が経ったが、復興の遅れから、今なお仮設住宅で生活する被災者は多い。元の暮らしに戻れないのは人ばかりではない。被災者の家族であるペットたちもまた、今なお避難生活を余儀なくされている。動物愛護精神の啓発と動物福祉の推進のために設立された一般社団法人UKC JAPAN(以下、UKC)が現在、神奈川・湘南シェルターで保護している被災ペットの数は200匹超という。

uj_s.jpg 震災直後、UKCが被災地に入り、保護した動物の数は約1,000匹。その後、生き別れになった飼い主を探し、避難生活のためペットと生活ができない飼い主には、了解を得た上で里親を探した。その努力の結果、数は減ってはいるものの、復興が長期化するなかで、労力と費用は限界にきている。

 UKC理事長の細康徳(ほそ・やすのり)氏は、「湘南シェルターは急設した施設で、満足な設備がなく、動物の世話をするのに人手がかかります。周辺の住民をはじめとするボランティアの方々に支えられ、なんとか被災者の家族たちのいのちをつないでいる状況ですが、現施設での長期にわたる生活は、動物たちにとって幸せとは言えません」と語る。"被災者の家族たち"を献身的に世話する細氏。病に倒れ、医者に止められても散歩を欠かすことはなかった。また、震災の記憶が風化するなか、寄付も減少しており、自らの資産を売却し、エサ代や医療費などにあてているという。

 そうした厳しい現状を"前向きに"解決していくため、1つの計画が進められている。それは、UKCが設立当初から目標としてきた動物保護施設「ティアハイム(命の家)」の建設だ。ヨーロッパ最大規模の「ティアハイム」はベルリンに1901年に設立されている。何らかの理由で飼い主と別れた動物たちを保護し、日本の殺処分のように決して命を奪われることなく、9割以上が仲介を経て新しい家族の元へと旅立っていくという。UKCが考える日本初の「ティアハイム」は、人が命の尊さを学ぶための動物とのふれ合いの場。また、獣医師、トリマー、ドッグトレーナーなど、ペットに関わる専門学校を併設し、その収益を施設運営費用にあて持続性を高める考えだ。

青雲ドッグスクール(朝倉市) UKCの窮状を知り、福岡県朝倉市の青雲ドッグスクール代表の田辺久人(たなべ・ひさと)氏が救いの手を差し伸べた。全国的に高名なドッグトレーナーである田辺氏は、埼玉県狭山市に事務局をおくNPO法人OPDES(オプデス、犬の総合教育社会化推進機構)の副理事長を務めるほか、地元自治体と共働で、犬とのふれあいを通して命を尊ぶ教育活動に取り組んできた。田辺氏は、ドッグスクールの敷地をUKCの「ティアハイム」のために提供する考え。その申し出によって、UKCが保護する200匹超の被災ペットを福岡県朝倉市に移し、「ティアハイム」の前身となる施設を建設しようという計画が形になりつつある。

 「人と動物の理想郷」(細氏)を福岡に建設する計画の課題は費用面だ。UKCには、現首相夫人の安倍昭恵氏(UKC名誉顧問)や女優の大場久美子氏なども協力して寄付や支援物資を募っている。一方で、被災動物のために集まったものの、使われないままの義援金が日本動物愛護協会など4団体で構成された「どうぶつ救援本部」に約2億円残っている。今年8月、同団体が預かる義援金の一部で投資信託商品を購入し、約840万円の損失を出していたと報道され、社会的な問題となった。「本来、遣われるべきところに渡すべきもので私たちが保護する動物たちにはもらう権利があります」という細氏。UKCは、同団体に交渉を続けていくほか、受け入れ先・福岡における理解と協力を得るため、周知活動に取り組んでいる。

【山下 康太】

▼関連リンク
・すべての命に優しい日本へ! ティアハイム建設を目指す(社)UKC JAPAN
・どうぶつ救援本部


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