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濱口和久「本気の安保論」

国際連合の成り立ちから見る「国連の正体」(後)
濱口和久「本気の安保論」
2013年11月30日 07:00
拓殖大学客員教授 濱口 和久

 国連憲章が発効して『the United Nations』が正式に設立されたのは同年10月24日。したがって、『the United Nations』は第2次大戦後創設された平和のための国際機関であるかのような錯覚をしている日本人が多いが、それは間違いと言わざるをえない。『the United Nations』の法的根拠が作成されたのは、第2次世界大戦終戦以前であったという事実。その作成の日付は、サンフランシスコ会議で国連憲章が調印された時点、昭和20年6月26日である。

 サンフランシスコ会議に参加した50カ国はどのようにして選ばれたのか。会議を招集したのはアメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国のいわゆる5大国であったが、参加の条件は昭和20年3月1日までに、枢軸国側、日本、ドイツなどに宣戦布告したという既成事実。枢軸国側に敵対する交戦国という法的地位を持つことが要求されたのである。つまり、それは「連合国」となることを意味する。その結果、実際の戦闘とは関係なく駆け込みの宣戦布告をした国も少なくなかった。

 連合国が敗戦濃厚な枢軸国に対抗して戦争を遂行し、殊更に終戦の前に企てた軍事同盟関係が組織を高めて、一個の国際機関に転換したものが、まさに『the United Nations』といえる。

<国連神話を日本人は見直せ>
国連ビル だから国連憲章には未だに、日本、ドイツ、イタリアを敵国と規定した「敵国条項」が存在し、今も残されているのは当然のことである。
 もっと言うならば、6月26日の時点で連合国と戦闘状態にあったのは、日本(6月26日よりも前の5月7日にドイツは降伏し、イタリアなどは昭和18年9月にはすでに降伏をしていた)だけであり、『the United Nations』は日本に対する対日軍事同盟であったのである。

 当時、『the United Nations』は日本では「聯合国」と翻訳されていた。戦後、日本の外務省が「国際連合」と和訳したのは、戦争当事者としての「連合国」と区別するための便宜的なものだったらしいが、これが今日、日本人の『the United Nations』に対する勘違いの始まりとなり、われわれ日本人の途方もない「国連神話」を生み出す要因の1つとなった。せめて「連合国機構」あるいは「連合国機関」と訳せばよかったのである。

 日本で発売されている様々な法律書にも国連憲章が掲載されているが、その中では『the United Nations』はほとんどが国際連合と訳されている。しかしながら憲章の前文と後文の冒頭では「われわれ連合国の人民は」、「連合国政府代表者」というような整合性のとれない訳になっている。
 国連憲章第111条によれば、「英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、中国語の本文をひとしく正文とし」とあり、フランス語でもロシア語でもスペイン語でも、軍事同盟の「連合国」の呼称をそのまま温存して、正式名称には「機構」とか「機関」の語がついている。なお、『the United Nations』の正体を最もよく表しているのはまさに中国語で「聯合國」となっている。

 要するに、『the United Nations』という言葉は、すでに述べたとおり、第2次大戦中から用いられていた言葉であり、連合国対枢軸国という意味における『連合国』であり、戦時中の軍事同盟の延長として誕生したということを日本人は知るべきである。

(了)

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<プロフィール>
hamaguti_p.jpg濱口 和久 (はまぐち かずひさ)
昭和43年熊本県菊池市生まれ。防衛大学校材料物性工学科卒業。陸上自衛隊、舛添政治経済研究所、民主党本部幹事長室副部長、栃木市首席政策監などを経て、国際地政学研究所研究員、日本政策研究センター研究員、日本文化チャンネル桜「防人の道 今日の自衛隊」キャスター、拓殖大学客員教授を務める。平成16年3月に竹島に本籍を移す。現在は、日本防災士機構認証研修機関の(株)防災士研修センター常務取締役。著書に、『思城居(おもしろい)』(東京コラボ)、『祖国を誇りに思う心』(ハーベスト出版)、「だれが日本の領土を守るのか?」(たちばな出版)。11月25日には、夕刊フジに連載中の企画をまとめた『探訪 日本の名城 上-戦国武将と出会う旅』(青林堂)を発売。公式HPはコチラ


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