消費者が1,500万円の損害賠償を求めてナチュラルグループ本社ほか10名を訴えた裁判がきょう(12日)、東京地方裁判所で開かれた。同裁判で原告側は被告らに対し、「出資法違反」などの疑いがあると主張した。一方、訴えられているナチュラルグループ本社代表の橋本幸雄氏は、「和解を目指して進めたい」とした前回の陳述をひるがえし争う構えを見せた。
きょうの裁判では、橋本氏が前回の弁論で陳述した「和解」の有無が注目されていた。しかし同氏は和解案を撤回、新たな弁護士にも協力を求めるなど改めて争う姿勢を示した。理由として「この法廷は私1人の裁判ではない。私の一存で和解を進めるのは難しいと感じた」とし、被告が多数におよんでいることをその主因とした。それを受けて原告側は被告ら対し「出資法違反」と「共同不法行為幇助」の疑いがあるとの主張を行なった。
陳述のなかで新たにわかったのは、橋本氏がこれまでに同様の裁判を18件抱えていたこと。そのうち4件は代理人をつけて争ったものの14件に関しては弁護士に依頼せず、個人で争っていたことである。そしてこの14件については「すべて和解した」(橋本氏)という。裁判長と橋本氏の間ではおおよそ次のようなやりとりが行なわれた。
裁判長「ほかの裁判で尋問などをやりましたか」
橋本氏「京都の裁判でやりました」
裁判長「その後はないですか」
橋本氏「ありません」
裁判長「裁判所としては同じような裁判でどうなっているか、他でやっている証拠資料などがあればここで出してもらいたいのですが・・・。個人でやっている裁判で続いているものはありますか」
橋本氏「14件全部和解しました」
裁判長「全部? 代理人いなくてもですか?」
橋本氏「向こうは付いてます。たとえば関西とか、九州とか・・・」
裁判長「預託料を返してくれとか、和解の内容について原告側は把握していないのですね?」
原告代理人「はい」
裁判長「和解の内容など知りたいのですが」
橋本氏「できないことを約束しても仕方ないので、月5,000円とか1万を分割で、私のできる範囲で――」
実際に支払っているかどうかについて裁判長は特に質問を行なわなかったが、「できる範囲で支払う」と橋本氏は繰り返していた。そして最後に同氏は、「北海道の日高で保管している酵素ですが、すでに存在しないとか、半分腐っているとかの流言蜚語がある。償還委員会のもと、先日ビデオと写真を撮影してきたので、次回証拠として出す」と述べた。
橋本氏によれば、ナチュラルグループ本社内部で第三者的機関として償還委員会なるものを組織しているとのこと。これが、アニューショップ元加盟店などで結成していると噂されている「償還請求会」と同じものかどうかはわからない。次回の口頭弁論は2月13日の予定。
◆健康情報サイトはこちら >>
健康情報サイトでは健康・食に関する情報を一括閲覧できるようにしております。
※記事へのご意見はこちら