＜食品業界の危機迫る？＞
　遅まきながら本年初登場です。2014年も「山笠節」全開といきたいものであります（汗）。
　さて、いきなりブルーな話題で恐縮なのであるが、年末から今年にかけて大変な事件となっていた大手冷凍食品会社の農薬混入事件。ようやく容疑者の身柄が確保されたとのこと。過去さまざまな企業不祥事でも言えることなのだが、ほとんどの社員は「善良で真面目な」社員である。

　今回の事件でもそんな社員たちが必死で関係各方面へ土下座をせんばかりにかけずりまわっている姿を想像するにつけ、たとえ不謹慎のそしりを受けても、小生としては同じ食品業界に身を置く人間として身につまされる思いなのである。

　かつて中国の委託工場で発生した「餃子事件」があった。日本国民の誰しもが、世界でも有数の規律とモラルを誇るわが国ニッポンでは、「まずあり得ないよね～」と思っていたはずだった。しか～しである。今回の一件で、「安全大国」日本の神話は今や昔の話となってしまった。それほど今回のテロ的な事件による衝撃は、わが食品業界にとっては小さくない。今回の事件で、食品メーカーの「フードディフェンス」の考え方が根底から見直されるであろう。「敵は内なり」の対策をどうするかである。

　こんな話がメーカーサイドから出始めると、小生的には「レフティ」な方々から、「雇用形態により賃金差別があるのがそもそも原因だ」とか、「右傾化の一環だ」なんて論理飛躍し、無理に政治と絡められたりして政治利用されかねないのではと、余計な心配をしちゃうのだが。今や足元では、少子高齢化が音をたてて押し寄せるなか、これだけ安全・安心にコストをかけ、原材料の多くを輸入に頼り、しかも販売価格をたたかれまくっている業界の現状では、「アベノミクス」に浮かれている暇はないのでは？

　実際、われら現場サイドでは「（顧客を）取った、取られた」「（値上げを）認める、認めない」等々、日々しんどい商談の狭間でやりくりと駆け引きの繰り返し。ホントの話、日々精一杯な感じが正直なところなのだが・・・トホホ。

　バブルの時もそうだったが、ぜんたい食品業界って、恩恵を受けにくい地味な業種なのかもしれない。２年先の仕事はいらないなんてバブリーな業種とは違うのである。

　さて、世間的には表面には出てきていない（重要であるが）、地味ネタをご紹介したい。昨年末、実は、食品業界、特にメーカーにとって大変な時期を迎えていた。年末年始は最大９日という大型連休だったこともあり、それだけに物量が多いこともあり、配送が危機的状況に瀕していたのだ。

　「物は作っても運べない」恐怖だ。どうやら深刻なドライバー不足も背景にあるらしい。また、各運送業者には行政側から、かなり厳しく「過積載」や「ドライバーの労働拘束時間」への法令順守の徹底が申し付けられていて、昨年11月頃より路線便を中心にすべての荷主に対し、書面で「年末対応」の連絡が行なわれた。

　実際のところ、まったく融通が利かずに、ボディブローのように影響を受けたところもある。ベテランの配車担当者いわく、「年末のあんな酷い状態は経験がない」と。半ば泣きベソ顔で嘆いていた。そんなわけで、他の食品業界の面々も、ほぼ同じな状況であったはず...間違いない。

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