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民主党、再生のラストチャンス
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2014年2月26日 07:00

 徳田毅衆院議員が2月24日、伊吹文明衆院議長宛てに辞職願を提出した。昨年2月に週刊新潮が2004年に徳田氏が19歳の女性と起こしたトラブルを報じ、医療法人「徳洲会」グループ問題が発覚した。猪瀬直樹東京都知事(当時)の首を飛ばし、多くの政治家を震撼させた同事件は、これでひとまず幕を下ろすことになった。
 これにより、衆院鹿児島2区補選は、4月15日告示、4月27日投開票の日程で行なわれる見通し。永田町は一気に政局ムードになっている。

kokkai.jpg 衆院補選は年に2度、4月と10月に行なわれる。徳洲会事件については当初、「徳田氏はなかなか辞職しないだろう」と言われた。その理由は「4月の補選は無理」とされたからだ。
 4月1日から、消費税が5%から8%にアップされる。その影響で景気は落ち込み、内閣支持率も下がると予想されている。こんな時に選挙をするなんて、自民党にとって逆風もいいところだ。しかも原因を作った徳田氏は元自民党議員で、第二次安倍政権で国土交通大臣政務官を務めていた。
 通常なら「自民党大敗北」という結果になってもいい状態だが、そうでもない。野党が弱すぎるのだ。

 2月21日から23日に日経新聞社とテレビ東京が行なった世論調査によると、自民党の支持率は44%で民主党は6%。民主党は自民党の7分の1に満たない。また民主党に日本維新の会(2%)やみんなの党(1%)、共産党(5%)などを合わせても、3分の1にすぎない状態だ。
 しかも民主党が公認を内定(2月24日現在)している打越明司前衆院議員は、民主党が圧倒的に強く、政権を奪取した2009年の衆院選ですら、徳田氏に勝つことはできなかった。2012年の衆院選では、得票率で徳田氏の半分にも及ばず、比例復活も叶わなかったのである。

 それ以上に問題は、民主党執行部だ。「海江田執行部はまったく危機感を喪失している」と関係者は述べる。
 昨年の党大会の後に「刀折れ、矢尽きたと思った時には、潔く代表を辞めることも考えている」とも述べた。同年7月の参院選で惨敗した時、海江田万里民主党代表は「1年後に目に見える結果が出なければ、恥を偲んで代表(続投)をお願いすることはないだろう」と明言している。
 そして民主党は今年2月、党大会を福島で開いた。折しも投票日と重なった東京都知事選では、民主党が推した細川護煕元首相は小泉純一郎元首相と華々しくタグを組みながらも、自民党と公明党が推す舛添要一氏に敗退した。のみならず、共産党の推す宇都宮健児氏の後塵をも拝してしまった。
 その直後の会見で、海江田氏は「単なる目ではなく、心眼というのがある。心眼に見えるものがある」と述べ、記者らの失笑を買っている。

minsyutou.jpg このような執行部が党内で求心力を持つはずがない。昨年10月と12月に次期衆院選挙小選挙区公認内定を発表したが、13年8月に示した選考基準である「16年1月現在で70歳以下」を満たさない田中真紀子氏や、明らかに地元活動を行なっていない手塚仁雄氏が早々に入っており、「情実人事」の批判が噴出した。手塚氏については、民主党に順風が吹き、この上ない楽な選挙と言われた09年の衆院選の時でさえ、地元活動を怠り、当時の幹事長だった小沢一郎氏の逆鱗に触れ、一次公認から外されていた。
 「そんな手塚が、逆風のなか、地元活動を懸命にやっているという話は聞かない。しかし公認を得れば党からお金がもらえるから、きっと手塚と仲がいい蓮舫が海江田に無理にねじこんだのだろう。彼らはともに東京都連に所属している」(東京都連関係者)
 第一次安倍政権も真っ青な「お友だち人事」。だがその背景にあるのは、友情ではなく執行部の優柔不断さだ。昨年9月に「総合調査会」を設置し、前原誠司氏や枝野幸男氏など執行部と距離を置く幹部を起用したが、そんなのは目くらませにすぎない。
 すでに党内では、次期代表選に向けての動きが始まっている。来年の統一地方選に備え、夏には代表選が行なわれるという話だ。
 その時の代表選候補として考えられるのは、前原氏、岡田克也氏、細野豪志氏らだ。
 前原氏は関西で日本維新の会と極秘に接触しているという。細野氏が日本維新の会の松野頼久氏や結いの党の江田憲司氏と政界再編を目指して、昨年から会合を重ねているのは有名だ。
 だが細野氏は民主党を飛び出て新党を結成する意思はない。あくまで民主党を中心に、日本維新の会の一部と結いの党を巻き込む。それが細野氏の意向だ。
 岡田氏はひとりで動くタイプではない。そして岡田氏はグループを持たない。そういう意味では岡田氏が代表に返り咲くのは、他の候補がいないという緊急事態に限られるだろう。

 そのなかで細野氏が前原氏に接近しているとの話が出ている。自分の派閥を作ると言って凌雲会を出ていった細野氏。前原氏のお気に入りの数名の若手議員を「連れていってはならない」と前原氏に言われながら連れ出したため、「細野を許さない」と激怒されたこともある。だが、打倒海江田については、共闘を組むという。細野氏が前原氏を支援するが、いずれは前原氏が細野氏を支援する。貸しをつくれば返してもらう。それが永田町のルールだ。
 4月27日の補選では、自民党では参院議員の宇都隆史氏らが出馬の意欲を見せている。「衆院に転出して総理を目指す」と噂される宇都氏は、2010年の参院選で比例で当選した。だが12人中で11位と、自衛隊という票田を持っている割には人気がない。そのなかで民主党がどれだけ迫れるか。もはや猶予はならない。今回の補選は民主党の存亡がかかっている。

【永田 薫】


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