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直撃インタビュー

【トップインタビュー】「岩崎産業」代表取締役社長 岩崎芳太郎氏(5)
直撃インタビュー
2009年5月13日 08:55

理想とかけ離れる日本
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2009年2月、『地方を殺すのは誰かー立ち上がれ、圧制に苦しむ地方の経営者よ!』を著した岩崎産業代表の岩崎芳太郎氏。強烈な本のタイトルの裏側には、中央に対する批判のみならず、声を上げない地方経営者に対する檄の意味も込められているようだ。そんな岩崎氏の想いを存分に語っていただいた。

所在地:鹿児島市山下町9-5
創 業:1923年5月
設 立:1940年4月
資本金:39億円(グループ全体)
年 商:(08年度)約530億円 (グループ全体)

 ―巨大資本に立ち向かう中小企業がなぜか悪者になりますよね。

 岩崎 その答えは簡単です。そういう構造、システムのなかで皆が飯を食っているからです。たとえば私と同じ考え方を持つ人間がいても、己のことを考えたら私と同じことはできないし、かといって巨大資本を擁護するわけにもいかないから、彼らは黙るしかないでしょう。世間はそういうものですから。

 「岩崎さんの言い分もわかるけどもっと上手にやればいいのにね。世のなかそんなもんじゃないのにね」というサイレントマジョリティーが大勢います。当然、それを好機として「あいつは悪いやつだ」と言って足を引っ張るものもいます。

 しかし、仮に統制しないからといって、そこで公正競争を排除するような要因に関しては、そこを抑制するルールや制度があるべきだと思います。社会制度としてやって良いことと悪いことがあって、競争や自分の持っている富の最大化という行為に正当性を与える時には必ず、それらの行為が社会的である限りはそれに社会的な制約がつく。そこに哲学と言うか、原点になるところの人間社会が曲がらないようにするルールが必要なのです。

 ―それが民営化や規制緩和でおかしくなったと。

 岩崎 要するに間違ったルールになったわけです。戦後のなかで決まっていた社会秩序が制度疲労を理由としてどういう風に変わらなければならないかということを考えるとき、こういう哲学、原理原則のもとに変えましょうというのは結構。だけども、それを従来のルールを変えてひと儲けしようする人間がいろいろとインチキなことや違法なことを仕組むから、日本の現実が理想の姿からかけ離れるわけです。

 ―そう考えると、「かんぽの宿」ひとつとってみても多くの問題を含んでいますね。

 岩崎 いろいろな思惑のなかで行なわれた郵政民営化のなかでも、核心の部分が「かんぽの宿」の問題です。明治政府による官営事業払い下げの疑獄以上のことでしょう。いわゆる金融資本関係者による国民財産の収奪以外の何ものでもありません。犯罪が至る所に隠れています。最悪ですね。

 そのなかで確信犯なのか不勉強なのか分かりませんが、収奪を正当化するためのロジックにすべて乗ったような話をするバカな評論家やマスコミが多すぎます。政治家も不勉強すぎです。本質を見れば、今日本国民がもっとも注目すべき犯罪であり、富を何者かに収奪される行為は、西松建設事件に見られるような土建利権みたいなアンティークなタイプの疑獄ではありません。やはり、最も悪質で新しい手口の疑獄は、「かんぽの宿」の方です。

 うがった見方をすれば、何者かの作為か、検察権力もひっくるめて、アンティークな政治家と土建業者の疑惑に目線をそらそうという意図すら感じられます。

 少なくとも帳簿上は1,200億円の価値があったはずのものを十分の一で売っているわけですから、どんな言い訳をしようとも株主に対する背任ですよ。ここでいう株主とは日本国ですから、あれに関わった人間は全員、国民に対する背任罪の被疑者です。

~つづく~


【大根田康介】


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