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未来トレンド分析シリーズ

地球の未来は温暖化か氷河期の再来か(4)
未来トレンド分析シリーズ
2009年10月29日 08:00
国際未来科学研究所代表 浜田和幸

 実際、アメリカ人の間では「地球が温暖化に向かっている」と信じる人が急速に減り始めている。世論調査で定評のあるピュー・リサーチ・センターが2009年10月に実施した調査では、温暖化を信じる人は2007年の77%から57%へダウンしていた。しかも、「温暖化の原因が人間の活動にある」と信じる人は36%しかいないのである。

 もし、地球温暖化が現実のものではないということになれば、現在アメリカやヨーロッパに設置された温室効果ガスの排出権取引市場などもその機能が失われることは火を見るより明らかである。ゴールドマンサックスなど多額の投資を行ってきたファンドは大やけどを負うことになるだろう。要は、地球温暖化という避けられないシナリオを既定路線として受け入れてしまえば、突然の気候変動に対して、小回りの利く対応はできそうにない。

 未来予測の最も重要な点はあらゆる可能性を念頭に置き、最悪の事態に対する備えを怠らないことである。その観点からすれば、世界の多くの国民が地球温暖化の影におびえ、その対策としての「緑のニューディール」をはじめとするアメリカ主導の環境ビジネスに飲み込まれてしまうような状況は、かえってリスクを背負い込むことになるのではなかろうか。冷静な判断とともに、地球環境に対する長期的な理解を深める必要があるだろう。

(つづく)

【浜田 和幸(はまだ かずゆき)略歴】
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 国際未来科学研究所代表。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、現職。

 ベストセラー『ヘッジファンド』(文春新書)、『快人エジソン』(日本経済新聞社)、『たかられる大国・日本』(祥伝社)をはじめ著書多数。最新刊はオバマ新政権の環境エネルギー戦略と日本への影響を分析した『オバマの仮面を剥ぐ』(光文社)。近刊には『食糧争奪戦争』(学研新書)、『石油の支配者』(文春新書)、『ウォーター・マネー:水資源大国・日本の逆襲』(光文社)、『国力会議:保守の底力が日本を一流にする』(祥伝社)、『北京五輪に群がる赤いハゲタカの罠』(祥伝社)、『団塊世代のアンチエイジング:平均寿命150歳時代の到来』(光文社)など。
 なお、『大恐慌以後の世界』(光文社)、『通貨バトルロワイアル』(集英社)、『未来ビジネスを読む』(光文社)は韓国、中国でもベストセラーとなった。『ウォーター・マネー:石油から水へ世界覇権戦争』(光文社)は台湾、中国でも注目を集めた。
 テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活躍中。「サンデー・スクランブル」「スーパーJチャンネル」「たけしのTVタックル」(テレビ朝日)、「みのもんたの朝ズバ!」(TBS)「とくダネ!」(フジテレビ)「ミヤネ屋」(日本テレビ)など。また、ニッポン放送「テリー伊藤の乗ってけラジオ」、文化放送「竹村健一の世相」や「ラジオパンチ」にも頻繁に登場。山陰放送では毎週、月曜朝9時15分から「浜田和幸の世界情報探検隊」を放送中。
 その他、国連大学ミレニアム・プロジェクト委員、エネルギー問題研究会・研究委員、日本バイオベンチャー推進協会理事兼監査役、日本戦略研究フォーラム政策提言委員、国際情勢研究会座長等を務める。
 また、未来研究の第一人者として、政府機関、経済団体、地方公共団体等の長期ビジョン作りにコンサルタントとして関与している。

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