金秀バイオ（株）　代表取締役社長　美里　義雅　氏

　金秀バイオ（株）（沖縄県糸満市、電話098-994-1001）は、原料からPB・OEM受託まで一貫した生産体制を構築している。自社工場ではISO22000の認証取得をしており、現在、健康食品GMP対応の準備も進めている。アガリクスを柱とした経営は、2006年に起きたアガリクス・ショックによって痛手を被ったが、その後、植物発酵エキスやフコイダン商品の開発で盛り返し、今では回復基調にある。同社代表取締役社長の美里義雅氏に現状の課題と展望について話を聞いた。

第３セクターとして出発

　--金秀グループといえば、スーパーを展開する金秀商事をはじめ、グループ全体で1,100億円の売上高を誇る地元ではトップクラスの企業です。機能性食品事業への参入のきっかけは。

　美里　もともと私どもは1988年６月に第３セクター㈱沖縄発酵化学としてスタート致しました。沖縄の基幹作物「さとうきび」の製糖副産物であるバガスの活用を図り、沖縄県の経済振興に役立てることを目的として、㈶農技研、経済連、民間企業数社からなる株式構成で設立されたのです。
　バガスを培地にしたアガリクス茸の栽培に取り組み、1991年には大量栽培技術を確立しわが社の収益の柱に成長させることができました。
　また、98年には沖縄県産のモズクから「フコイダン」の抽出に成功、さらに翌年には泡盛を蒸留した後にできるモロミからクエン酸を豊富に含んだ「もろみ酢」の販売を開始しました。
　すでに91年４月に金秀グループの一員として新たなスタートを切っていましたが、2006年に㈱沖縄発酵化学から金秀バイオ（株）に社名変更して今日に至っています。昨年、飲料部門は事業の選択と集中により金秀商事に移管し、機能性食品部門に特化することになり、原料の供給と受託事業を行なっています。
　現在、「健康食品」「健康ドリンク」「健康茶」を取り扱っており、健康食品ではフコイダン関連商品のほか、ウコン、アガリクス、ゴーヤー、クミスクチン、食物繊維などを原料とした商品のほか、ばべん草エキスにコラーゲンを配合した美容訴求サプリ『バーベニーカプセル』も販売しています。
　また健康ドリンクでは、ノニ、シークヮーサー、青汁などのジュース、もろみ酢を扱っています。野草22種類を厳選してブレンドした野草茶『蓬莱仙寿茶』、県産グァバ茶100％使用の健康茶など５種類の健康茶を販売しています。さらに弊社の一押し商品として、県産の厳選野草12種類を乳酸菌の力で発酵させた植物発酵飲料『沖縄厳選野草エキス爽々』があります。
　私たちのモットーは、『良質な原料を生産し、安心できる工場で製造し、お客様の元へお届けする』です。単純な工程に見えますが、１つ１つの仕事へのこだわりが、良質な製品につながると信じています。

（つづく）

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