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日本の経済力低下と覚醒する経済・カンボジアでのビジネスチャンス(6)
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2012年11月20日 10:27

<経済特区への企業誘致>
kaisetu.jpg 具体的な証券の売買は証券会社で行なわれるが、われわれはカンボジアのプノンペン証券を訪問した。ここでは新規上場のIPO株や、実際に株を売買するために証券口座を開設するのが目的である。

 現在、上場を果たしたのは「プノンペン水道公社」のみであるが、一般投資家に販売を開始する前に、その他上場準備を進めている会社株に対し、株価算定能力が高い大口機関投資家によるブックビルディングが行なわれ、信頼感のある株価が決められる。

 現在、ほかの公社や民間企業も10社前後が上場に関心を示しているが、いずれも「実際に市場がオープンしてからの様子を見たい」としており、これらの公社・企業が上場を開始するのは、早くても2013年になるのではないかと見られている。

 その背景には、先に取引が始まったベトナム取引所やラオス取引所のように、一気に上場を行ない一時は高値になるが、早い時期から値崩れが起きるような事態を避けたい、との思惑があるようだった。口座開設には、ここでもパスポートおよび必要事項の記入、とくに不測の事態に備え、資産引き継ぎ人の氏名が求められる。また銀行同様、顔写真の撮影も行なわれる。

 これまでの経済視察ツアーでは、日本企業誘致に向けた経済特別区を3カ所を訪問してきた。経済特別区とは「一定の区画の土地を工業用地として整備し、工場などを計画的に立地させた地域」を指す。日本でも工業団地開発による企業誘致は、雇用創出や税収増など地域経済活性化の切り札となることから、各地方公共団体などが補助金や融資制度をつけてまでも推進している。カンボジアではこの工業団地のことを経済特別区(Special Economic Zone;SEZ)と呼んでいる。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)各国は外国直接投資の誘致により経済成長を達成してきたが、各国での工業団地の整備が製造業の誘致に大きく貢献している。たとえばベトナムでは、1991年タントゥアン輸出加工区(ホーチミン市;台湾系)が工業団地第1号として認可され、その後2000年には全土で65カ所、10年には220カ所以上が認可された結果、現在の同国への日系企業進出数は製造業者を中心に1,300社を超えている。

 カンボジアにおける経済特別区開発の歴史は浅く、認可第1号はタイ国境のポイペット経済特別区(2006年6月認可)、稼動第1号はプノンペン経済特別区(2008年8月稼動)である。

(つづく)
【大谷 賢二】

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▼関連リンク
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<プロフィール>
大谷賢二(おおたに・けんじ)
カンボジア マーケティングコンサルタント 所長
 九州大学法学部卒。1998年よりカンボジアでの地雷撤去、被害者救済支援、学校建設などを行なう。去年の3.11以降、国内での募金が東北に集中した結果、カンボジアでの経済発展に目を向け、合弁会社を設立。日本企業のカンボジア進出のコンサルなどを行なっている。アジア人権賞、アジア貢献賞などを受賞。カンボジア政府より国家建設第一党勲章を授与される。


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