＜苦難に直面するも支援者の登場に活路。世界各国で特許取得＞

　エスティエンジニアリングは、08年12月に民事再生法の申請を余儀なくされた。安定受注していた下請け商品の売り上げがなくなったのだ。商業用オフセット枚葉・輪転印刷機用湿し水専用循環水処理装置「BS－1」システムの効果が認められ、営業展開に期待が持てる矢先のことだった。スポンサー企業が名乗りを上げたものの、「その会社の目的は資金を投下せずに技術を盗もうとしただけだった」（水野整一社長）という。その会社は、「BS-1」とは似ても似つかぬ商品を作りあげ、同様の効果をうたって営業を行なっており、「『BS-1』が同様に見られるのは心外。何よりも投資しても効果がでないお客様が迷惑する」と水野社長は憤りを隠さない。

　こうした時に同社の技術力を支援したのが飲食店「竹乃屋」などを展開する竹野孔氏だ。「湿し水排水がなくなるというのは画期的。これがあれば国内はおろか世界中の印刷会社の役に立てる」として資金を投入する一方で、エスティ社が材料仕入に対する個人保証をして支えた。

　こうしたなかで、民事再生中の同社が特許を取得した。現在、その特許は日本のみならずアメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、香港、台湾でも取得している。

　竹野氏は７月１日より代表取締役会長に就任。スピード展開への準備が整った。

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［COMPANY INFORMATION］
エスティエンジニアリング（株）
社　長：水野　整一
代表取締役会長：竹野　孔
所在地：福岡市早良区次郎丸2-4-26
設　立：1994年４月
資本金：3,010万円

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