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財務戦略なき営業計画が達成できない理由 マネジメントゲームレポート(1)
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2011年12月12日 17:15

MG_KAWAMURA 2011-11-18 18-24-31.JPG 2011年11月18日、川庄公認会計士事務所(所在地:福岡市中央区)が、経営シミュレーションゲーム「マネージメントゲーム(略称:MG)」のモニター大会を開催した。参加者の業種は食品から金融まで様々で、メーカー、卸、小売の業態から30代を中心に、経営者と経営幹部およびその候補者ら11名が集まった。
 今回の大会の優勝者は、3期の決算を経てスタート当初以上に株主資本を増やした河村和明氏。河村氏は中国向け専門の旅行代理店で取締役を務めている。

 マネージメントゲーム(MG)は「人生ゲーム」や「モノポリー」の経営版のようなもので、いわゆる戦略系のボードゲームだ。今回集まった11名のモニター有志らは、飲食店を経営する設定のもとで、資本金「500」を元手に食材の調達から従業員の採用、広告宣伝、メニュー開発、顧客獲得などを行ない、3期の決算を終えて最終的な資本の額を競った。
 このゲームでは、参加者がすべての自分の活動キャッシュフローを資金繰り表に記載し、毎期決算を自らおこなう。そのため、財務諸表に苦手意識を持つ人でも、ゲームを通して損益計算書と貸借対照表の構造を実感でき、ゲーム終了時には経営全体を俯瞰(ふかん)する感覚が芽生える。

 資本主義において経営の目的は資本の拡大にある。「食っていくためにはまず売上!」という考え方もあるが、マネジメントゲームでの売上高は利益獲得までの必要条件に過ぎず、変動費、固定費を差し引いた経常利益が確保できなければ、繰越利益として「資本」を増やすことはできない。つまり、限られた資本を使って最大限の利益を残すことが、マネジメントゲームのミッションである。
 一般的には、新規事業を立ち上げる際には3年以内に単年度黒字化が目標とされる。初期投資におけるコスト負担は重く、早い段階で自社のコスト構造を把握し、元手の資本がなくなる前に利益を積み上げる体制(経常黒字)が確保できなければ、その事業の継続は困難であろう。

 そこで、いつまでに資本をいくらにするという、具体的な財務戦略が営業計画の裏付けとして必要になる。マネジメントゲームにおいても現実と同じように、同業他社との競争のなかで自社の営業活動を行なっていく。そのため、売上高から何となく考えた営業計画では、その根拠があいまいなために熾烈な競争のなかで踏ん張りが効かない。営業計画を達成するべき理由は、「生活のため」ではなく、「財務戦略」の実行のためであることが、計画達成のためのコツとなる。
 そこで、次回から4回にわたり、マネジメントゲームモニター大会から、株主資本を拡大、もしくは減少させた参加者の経営シミュレーションを報告する。これらはゲームからの教訓ではあるが、これを読んだ読者のなかから、「事業計画策定の端緒となる何か」を少しでも感じていただければ幸いである。

【児玉 崇】

(2) ≫

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