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家電再編の行方~ビック=コジマ連合にエディオンとベストは合流するのか?(前)
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2012年5月14日 11:00

 家電量販店はサバイバル戦争に突入した。業界5位のビックカメラが、6位のコジマを傘下に収め、首位のヤマダ電機に次ぐ2位に浮上する。今後の焦点は、同2位のエディオンと同8位のベスト電器はビック=コジマ連合に合流するのか。首位を独走するヤマダはどう出るのか――。

<特需が消えて、惨憺たる決算>
 昨年3月に家電エコポイント制度が終了、7月にはテレビの地上デジタル放送完全移行(東日本大震災の被災3県は今年3月)が終わり、家電市場は急速に冷え込んだ。2大特需の反動で、家電量販店各社は惨憺たる決算に沈んだ。

yamada.jpg 首位のヤマダ電機(群馬県前橋市)の12年3月期の連結決算は、売上高が前年同期比14.8%減の1兆8354億円で、2兆円の大台を割った。当期純利益は同17.7%減の582億円。2位のエディオン(大阪市)は、12年3期の連結売上高は同15.8%減の7590億円、当期純利益は37億円にとどまり、同77.2%の大幅減益だ。

 5位のビックカメラ(東京・池袋)の12年8月期連結決算予想は、売上高が同13.4%減の5,300億円、当期純利益は同22.7%減の70億円の見込み。6位のコジマ(栃木県宇都宮市)の12年3月期の連結売上高は同17.6%減の3703億円と大きく落ち込んだ。
 売上高の落ち込みが激しかったのが8位のベスト電器(福岡市)。12年2月期の連結売上高は同23.2%減の2,617億円で、とうとう3,000億円を割り込んでしまった。

 昨年9月中間期に、各社とも過去最高益を更新していた。通期に大幅減益に一転したのは、地上デジタル放送移行が終了した昨夏以降は、薄型テレビがまったく売れなくなったということだ。

 これで、エコポイント特需で沈静化していた業界再編に火がついた。ビックは6月26日付でコジマによる第三者割当増資(141億円)を受け入れ、発行済み株式の50.06%を取得し子会社化する。

<反ヤマダ連合の再結集なるか>
 今後の焦点は、ビック=コジマ連合に、エディオンとベストが合流するのかという点だ。07年に破竹の快進撃を続けるヤマダに対抗するため、反ヤマダ連合が形成されるかに見えたが、各社の思惑から立ち消えた。果たして、反ヤマダ連合は復活するのか。

 07年当時、各社が合従連衡を模索したのは、ヤマダの攻勢に怯えたからだ。地方をあらかた制覇したヤマダは、いよいよ首都圏攻略に乗り出した。郊外型大型店で他社を蹴り散らしてきたヤマダには、都心型大型店のノウハウはない。そこで、ヤマダが首都圏に攻め込む際に、手を組む相手としたのがビックだった。ビックを傘下に入れることを狙った。

 ヤマダから提携提案を受けたビックの創業者の新井隆二会長(当時、現・相談役、66)は07年2月、エディオンと提携を結ぶことで買収防衛策とした。しかし、ビックの経営陣は「エディオンに飲み込まれる」と不満を抱き、1カ月後に統合は白紙還元になった。

 ビックを取り逃がしたヤマダが次に標的にしたのがベストだ。07年8月、ヤマダが約7%の株式を取得したことが判明。ヤマダは敵対的TOB(株式公開買い付け)をしないとして、ベスト株40%以上を取得し、商品仕入れを一本化する提携を提案した。ベストはこれに対抗して9月、ビックと提携。ビックはベストの増資を引き受けて9.3%の筆頭株主になり、買収防衛策に協力した。

 約3%の株を取得しベスト争奪戦に参戦したのがエディオン。07年末、10%未満のベスト株を取得する提携を提案した。だが、ベストは08年1月、エディオンの提携提案を拒否。ビックに続いてエディオンと組んで反ヤマダ連合を形成すれば、ヤマダが敵対的TOBを仕掛ける強硬姿勢に転じることを恐れたためだ。ベスト争奪戦は、ヤマダ、ビック、エディオンのすくみ合いが続くことになった。

【本誌取材チーム 佐伯司】

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