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コダマの核心

【傑物経営者シリーズ】日・タイ合同の傑物プロジェクトに挑戦する、80代目前の二人の戦士~個人力が無限のパワーを発揮する時代へのメッセージ(後)
コダマの核心
2012年5月20日 07:00

<現ルートで投資の妥当性は十分>
 歴史的経緯から、マレー半島における運河計画候補のルートは10本以上におよぶ。そして、現在は"産業革命家"J氏の率いる「クラ地峡新運河」プロジェクトチームが推奨するルートが最善と考えられている。
 同プロジェクトチームは、現段階の調査結果を踏まえ、開発効果を以下の7つに分けて考えている。

1、建設工事による雇用増、所得増

2、船舶の輸送費用と輸送時間短縮(通航便益)
 ・クラ運河航行による輸送費用節減
 ・クラ運河航行による輸送時間短縮

3、新運河による航行安全性の向上
 ・マラッカ海峡通航回避によるリスク減少

4、コンテナ港湾立地による物流効率効果(コンテナ便益)

5.造成地の商工業立地による地域開発効果
 ・掘削土砂による用地造成と商工業立地(用地便益)
 ・タイ南部の地域開発と中継港拠点として第二のシンガポール

6、新運河への観光入込客数の増大(観光便益)

7、ASEAN海上交通網の隘路解消


 上記、便益内訳は、船舶の通航便益が約80%を占め、次いでコンテナ便益(9%)、用地便益(6%)、観光便益(5%)と想定している。
 経済分析によると、建設費1.5兆円、建設期間10年で、IRRは運用開始後の10年、20年、30年間で、それぞれ12.1%、14.6%、15.0%となっている。これは、タイの公定歩合を考慮すると投資コスト金利より極めて高い数値であり、グローバルに見た投資の妥当性は十分と予測している。

<若者よ!「世界地図」を持って外に出よ!>
 この取材にあたっては、現実的であるなかに"ロマン"も感じられ、実に爽快であった。ただし、記者は取材中に、たびたび"産業革命家"J氏に怒られている。以下はその会話の一部である。

 J氏 これは、地政学上、必要不可欠な地球規模のプロジェクトである。今世紀には、仏国でも、英国でも、必ずどこかの国がやる。だから、日本がやるべきなのだ。私は、日本にいても、海外に行っても、絶えず"世界地図"は忘れない。自分を刺激しているのだ。

 記者 各国が狙っているということは、よほど凄い経済的利権が絡んでいるのですね。

tikyugi.jpg J氏 そういうケチな根性の奴には、この話題を書いてほしくない。スエズ運河でも、パナマ運河でも、最初は利権が絡んでいたのかもしれない。しかし、必然性と普遍性のないものが長く続くことはない。自然の流れのなかで、必要とされたから生まれたのだ。その国の人々、通航する船にはもちろん、地球市民にあまねく役に立っていくし、いくべきなのだ。それが、"地球規模のプロジェクト"である。

 最近、記者が別件で取材したなかで「日本の若者の海外離れ」というキーワードがある。たとえば、日本人の米国への留学者数は大幅に減っており、中国13万人、インド11万人、韓国7万人に対し、日本は6万人(ピーク時は8万人)と言う結果である。さらに、産業能率大学が3年ごとに実施する「新入社員のグローバル意識調査」(2010年)によると、2人に1人が「海外で働きたくない」という結果だ。

 最近、文部科学省は、海外留学に積極的に取り組む大学への支援として、5年間で総額数百億円の血税を使うことを決めた。これはおかしい。海外は、強制されて行くところではないのだ。それより、自分への反省も含めてだが、若者には「世界地図」を常時携帯することを推奨してみては如何だろうか。理論を頭で考えるのでなく、世界を"五感"で感じるような生活を日常からしていないと、"世界"は縁遠くなってしまうものだ。

(了)
【金木 亮憲】

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