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"神の手を持つ天才ドクター"小倉記念病院・延吉正清院長回顧録(後)
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2012年8月 1日 07:00

 財団法人平成紫川会小倉記念病院で院長と理事長を務める延吉正清氏が、日本で初めて心臓カテーテル治療を行なってから約20年が経つ。データ・マックスでは、2008年4月に延吉氏にインタビューを行なった。「カテーテル治療で人々を幸せにしたい」と語る"神の手"を持つ同氏の言葉を、節目の今、振り返ってみよう。以下は、08年のインタビューの模様である。

(企業特報「I・B」No.1330より転載)

 ――先生はご自身の技術を惜しげもなく若手に指導していますが、その核心は何でしょうか。

0731_nobuyosi.jpg 延吉正清氏(以下、延吉) 私のレベルまで早くきてほしい、そうすることでよりたくさんの患者さんを救うことができる。そのために、自分の技術を伝えることは厭わないです。

 一般的に医療の世界において、医師は自分の技術を普及させることに積極的ではなかったようです。弟子などの限られた人たちだけとの秘密の技術として温存する傾向があると言われています。しかし、私はそうは思わないですね。良い治療法が正しく普及し、全国の病院で患者さんが恩恵を受けることができるようになることを目標にしています。そういう面では、従来の医学の常識を打ち破るものであったかもしれませんね。

 ただし、1から10まですべて教えるわけではありません。どんな仕事でもそうだと思いますが、自分で考えて苦労して会得しないと、本当の意味での力にはなりません。とくに医師はいつも死と背中合わせですから、自分の力で解決させることが必要なのです。私から技術を盗んでほしい。私の動きを注視してほしいですね。

 ――そのような指導方針が「小倉ライブ」へとつながっているのですね。

 延吉 そうですね。そもそも小倉ライブは、1992年に第1回が開催されたカテーテル・インターベンション治療の知識・技術の普及を目的に開催しました。「ライブ」というのは文字通り、患者さんを手術室(正確には心臓カテーテル室)で治療している様子を会場に生中継し、実際の治療手技を解説しながら見てもらいます。会場の参加者は、心臓病の治療に携わる医師やスタッフなどです。機器の使い方や操作方法を、症例ごとに自分が手術室にいるかのような臨場感をもって体験することが可能です。また同時に、治療方針の決定に際しての思考過程も明確となります。小倉ライブは毎年開催され、現在では参加者約2,000名という大規模なものになりました。当初より、開催場所は北九州市の小倉です。これが「小倉ライブ」と呼ばれるゆえんです。

 私は北九州を拠点として治療をしていますので、こちらまで物理的に来ることができない人たちがいます。そのような人たちのために、私の治療を全国にライブで放映しています。私の技術を間接的ではあるけれど見てほしい、そして盗んで自分のものにしてほしい。そうすることでより多くの患者さんを救うことが可能になると考えています。

 ――本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

 延吉 ありがとうございました。

(了)

≪ (前) | 

0731_nobuyosi_p.jpg<プロフィール>
延吉正清(のぶよし・まさきよ)
1940年6月11日北九州市生まれ。京都大学医学部卒。すでに欧米で普及していた心臓カテーテル治療を1981年に日本で初めて行ない脚光を浴びる。その後、数多くの心臓カテーテル治療で数多くの命を救ったことから、「心臓カテーテルの神様」と呼ばれるようになる。現・財団法人平成紫川会小倉記念病院院長兼理事長。


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