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水マネージメント先進地区へ(後)~福岡市水道局
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2012年9月 4日 10:00

<全国トップレベルの低漏水率市民に根付いた節水意識>
 福岡市水道局では環境方針を掲げ、4つの環境保全施策と9つの具体的な事項を定め取り組んでいる。

 4つの環境方針の1つ目「事業活動における省エネ・省資源」においては、水道施設での送水ポンプや導水ポンプの省エネルギー化、とくに小水力発電設備を導入するなどエネルギーの有効利用を推進している。「実は、この福岡市においては水の大規模なポンプアップの必要はないのです。全市的にダムから家庭の蛇口まで、自然の勾配を利用できるので省エネなのです」(尾原氏)。
 また、浄水場から送られた水量に対して、実際に使用された水量の割合を示す有効率は10年度末で97.2%と全国でも高い水準で保たれている。要するに、浄水した水はほとんど無駄にすることなく供給されていることを表している。

 「水源地域の森林保全」では、森林は雨水を貯え、水質の浄化作用に加えて洪水などの緩和に効果を発揮する。市では水道専用ダム周辺を保全するために累計約464haの水源かん養林用地を保有している。また、「事務所活動のおける省エネ・省資源」は庁舎など事務所の電気・空調ガス使用量の削減やOA機器の紙削減などに取り組んでいる。

 次に、「節水」。福岡市は1人当たりの水道使用量が全国平均で見ても少なく、市民の節水意識が高いことがわかる。市民の意識調査でも88%が「節水を心がけている」と返答しており、全国でもトップレベルの節水型都市づくりが成功したと自治体と言えよう。

<耐震管への移行、そして海外への技術支援に前進>
ohara_1.jpg 「福岡市で布設されている水道管の総延長は2010年度現在で約3,900km。これは、福岡から青森までを往復する距離に相当します。水道管の埋設にかかる1km当たりの費用は約1億円となりますので、老朽化した既存の水道管の取り換え工事を順次行なっていくとしても、多くの費用と年月がかかります」と尾原氏。

 貴重な水資源を管路などで漏水させることは、極めて非効率的なことである。とはいえ、水道管にも寿命がありサビなどが発生して老朽化が進むことは否めない。しかも、布設された管の距離は相当数に上る。「西方沖地震の発生もありましたので、耐震性があり長寿命の管の布設を進めていく考えです」と、今後はメンテナンスを軽減する水道管の布設で事業効率を高める方針としている。

 また、アジアへの技術協力も強化している。今年4月からミャンマーへの技術提供を図るため、担当職員を派遣している。まだ、始めたばかりで情報収集不足は否めないが「今後は、福岡で培った技術や経験を海外、とくにアジア諸国に提供したい」と社会貢献も忘れない。

 大渇水に悩まされたことで、官民とも高い節水意識を持つようになった福岡市。貴重な水資源を効率良く利用できるようにするためにも、福岡市水道局は日々活動を続けている。

(了)
【道山 憲一】

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