<マーケティングからアフターサービスまで、一貫して行なうことで生まれる競争力>
あなぶき興産九州(株)は、2007年2月設立の新興マンションデベロッパー。ものの4~5年で新規物件の供給度ではトップクラスに躍り出るなど、地場デベロッパーとして着実な地盤固めを進めている。
躍進の背景には独自のノウハウによるマーケティングと販売手法、そしてアフターサービスがある。まず、同社は日々、マンションを購入する客層のニーズを調査・分析し、建設エリアの市況や環境の分析を徹底して行なっている。次に、そのデータは用地仕入れや企画・設計部門にフィードバックされ、需給バランスを考えた物件の開発、ターゲットのライフスタイルに沿ったマンションが企画される。
また、販売面ではモデルルームから集客、販促、戸別のダイレクト営業までの担当チームが編成されて細やかな活動を展開。結果的にこうした販売手法が実を結び、物件の完成時にはどのマンションもほぼ完売という。
アフターサービスも「お客さまの一生を全力で支える」を合い言葉に、定期的なメンテナンスを通じて隅々までサポート。建物の不具合など万が一のトラブルや顧客からの問い合わせにも、管理会社と一体となってスピーディに対応する態勢を整えている。
「当社は、金融機関から融資を受けて各プロジェクトを進めるので、無駄やロスは極力避けなければなりません。売れ残ってしまうと、それがひいてはお客さまの負担にもなってしまいます。マーケティングからアフターサービスまでを円滑に機能させることでコストを削減し、販売価格にも反映させています」と、柴田登取締役会長は語る。
マンションデベロッパーとして、各セクションが車輪の輪のように連携し、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、いわゆる顧客管理で高い能力を発揮する。それが高いブランド力と顧客の信頼を生み、強い競争力になっている。
<購入条件には眺望が重視される傾向>
同社のマンションには顧客のライフスタイルや年齢、所得水準などに応じていろいろなタイプがある。一番スタンダードなアルファステイツ、ファミリー向けで広めのアルファスマート、稀少性のある土地に建てる最高級のアルファガーデンなど、得意のマーケティング戦略の下、バリエーションは豊富だ。
最近では、マンション購入の条件は利便性に加え、価格も重要な要素を占める。そのためコストパフォーマンスの良いタイプとして、価格がリーズナブルなアルファライフも売り出している。
「立地も従来のような南向きだけでなく、眺望が重視される傾向にありますから、用地のリサーチ、取得がカギを握ります。たとえば鹿児島市では、桜島が見渡せることはプラス要因なのですが、逆に降灰という問題が避けられません。そこでバルコニーに物干専用の『サンルーム』を独自で設けてみました。これは顧客の評判も上々でした」。
| (後) ≫
<COMPANY INFORMATION>
■あなぶき興産九州(株)
取締役会長:柴田 登
所在地:福岡市博多区御供所町2-63
設 立:2007年2月
資本金:3億5,000万円
TEL:092-292-4420
URL:http://www.anabuki-k.co.jp/
<代表プロフィール>
柴田 登(しばた・のぼる)
1958年2月12日生まれ。81年、「穴吹興産(株)」入社。91年、取締役就任。07年、「あなぶき興産九州」の設立にともない、代表取締役社長に就任。グループ力を結集させてマンションデベロッパー事業を軌道に乗せる。12年10月1日、取締役会長に就任。
※記事へのご意見はこちら