＜『工務店のお役に立ちたい』～その情熱で前進＞
　従来の木造住宅の概念にはない、屋根の下屋箇所をバルコニーに仕立て、空間を有効活用する。そのために屋根をフラットにして、バルコニーを金属防水するという工法を採択し、試行錯誤のうえ、他社にない技術を構築した（株）栄住産業。現在、同社には福岡を中心に全国各地からオファーが舞い込んでいるが、そこに至るまでの道のりは容易ではなかった。

　同社の代表取締役である宇都正行氏は振り返る。創業当時は、「屋根をフラットにするなど、木造住宅ではタブーだ。このような工法を採用して施工すれば、工務店は非難されて潰れてしまうよ」と比較的年齢の高い工務店の経営者が、異口同音に「No」を口にしたという。それでも、「将来的に必ず必要とされる」という気持ちと、「自社の金属防水は、どこに出ても誇れる技術である」という自負があった。施主が遊びのスペースを設けることで、より充実した住まいを創造することができる。そのような技術とサービスを持てば、地場工務店の繁栄のお役に立てるという一心で、営業活動を展開し続けた。

　そのようななか、若い世代の工務店経営者からその金属防水の技術が着目され始め、支持されるようになってきた。その頃より受注が出始めた。すると、実際にフラットなバルコニーを採用した木造住宅からその高い技術に対して、次々に称賛の言葉が入ってきた。同社の「フラットにする屋根」という発想が高く評価され、信頼されるようになってきたのだ。

＜屋根を陸屋根に屋上緑化・庭園の魅力＞
　同社ブランドである『スカイプロムナード』は、耐久性・防水力に優れたステンレス・鋼板に、表面保護膜加工を施し、建物の揺れなどに対応できる『オープンジョイント工法』を用いたもの。創業より37年間で約27万棟の施工実績を有しているが、水漏れに対するクレームの発生はほとんどないという。現在は、月間2,000棟のペースで施工している。同社は、この『スカイプロムナード』を最大限活用し、屋根を有効的に活用できるスペースに改良する屋上緑化・庭園の事業を展開しているのである。
　「私は、家には庭があることがベストであると信じています。ですが、各地区の都心部では、庭付きの一戸建てを購入できる購買層が限られてきます。東京の都心部では、25～30坪の家で土地坪単価が200～300万円の戸建で庭がありません。
　そこで、『スカイプロムナード』を活かした屋上緑化・庭園を手がけ始めたのが約20年前です。バルコニーが認められるのに７～８年を要しました。屋根をフラットにするという陸屋根での屋上緑化は、当初の予想通り、工務店から「No」を突き付けられました。緑化・庭園にすることでの屋根への荷重の問題、そして漏水が生じました。バルコニーと同様、長年工務店を切り盛りしてきた経営者は、受け入れてくれなかったケースが大半でした。
　しかし、次世代の若い経営者が興味を示してくださいました。施工して使っていただくと、同社の屋上緑化・庭園の良さを理解していただけたのです。私は、『屋根の革命』と位置付けております。漏水の問題は、弊社の金属防水技術でクリアになります。屋根への荷重に対しては、従来の木造住宅の屋根は200kg前後です。弊社の屋上緑化・庭園を採用すると、その50％程度の加重です」と語る宇都氏。

　屋上緑化・庭園のメリットは、屋根空間の有効活用、断熱効果という自然環境やエコロジーへの貢献、そして、条件次第で固定資産税や不動産取得税への軽減が挙げられる。しかし、同社の屋上緑化・庭園は、さらに素晴らしい効果が期待できるのである。

｜　（後）　≫

▼関連リンク
・屋根の上を発電所にするお願い～栄住産業

＜COMPANY　INFORMATION＞
代　表：宇都　正行
所在地：福岡市東区原田3-5-6
設　立：1976年２月
資本金：9,800万円
ＴＥＬ：092-622-6292
ＵＲＬ：http://www.eijyu.co.jp

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