<ライフスタイルと情操教育へのアプローチ>
宇都氏の『屋根の革命』は、目に見えるものだけに留まらない。同社の屋上緑化・庭園は何を目指しているのか。それは、一言で述べると『ライフスタイルと情操教育への提案』である。
「私は、この屋上緑化・庭園で日本の家庭を変えてみたいと思っています。先ほど述べた通り、家には庭があるべきだという私の持論です。ですが、現況そう簡単に庭付き一戸建て住宅を取得できる購入層はなかなかいません。スモールスペースで建てる狭小住宅が主流となってきており、残念ながら庭はついていません。
昔の家には、庭がありましたよね。そこで、多くの植物や緑が育ち、たくさんの生き物が集まり生息し、子どもたちは思い切り遊び、大人はその姿を見守りながら子どもと円滑なコミュニケーションを図っていました。しかし、現代社会は、各々が日々の生活に疲れ、人間関係に支障をきたしているケースをよく聞きます。それは、家庭内でも同じです。親子の間の関係も廃れてしまったことで、悲しい事象が発生していることが散見されます。
私は教育の専門家ではありませんが、この庭をつくることで、家庭内のコミュニケーションを円滑にできると、また自然との触れ合いのなかで、心身が豊かになる生活を創造すると信じています。屋上の緑いっぱいの庭で、新たな大人の社交場として、そして親子の絆を築き、子どもたちの情操教育へ貢献できるものとして、私たちは提案していきます」
と宇都代表は、屋上緑化・庭園への熱い想いを語る。
屋上緑化・庭園が、単なるハード面のメリットだけでなく、人として豊かな生活を創造できる─コミュニケーションを重視したライフスタイル、そして健やかな子どもたちが育つための情操教育にアプローチすること、自然環境、そして人間関係の豊かさを提案することが、宇都代表、そして同社の意義である。
日本の新築住宅着工数は、現在は80万戸前後で推移し、うち戸建は40万戸とされている。
「2015年には、56万戸。2020年には40万戸と減少傾向が予想されます。そのうち戸建市場のシェアは、50~60%です。よって2020年には、現在の市場の半分程度になるでしょう。そのため今後は、中古住宅の市場へ着目していきます。リノベーションが、今や住宅業界のキーファクターの1つとなっております。
居住空間のリノベーションと同じように、屋根も変えて屋上緑化・庭園にし、長く住むことで家を大切にできます。ようやく認知されてきましたが、まだまだ発展する市場です。工務店のお役に立つこと、そしてお客さまの豊かな日常生活の提案を理念に邁進していきます」
と今後の展望を述べる宇都代表。
同社の屋根に賭ける情熱によって、日本の住まいが変わり、豊かなライフスタイルが構築されていくことが期待される。
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▼関連リンク
・屋根の上を発電所にするお願い~栄住産業
<COMPANY INFORMATION>
代 表:宇都 正行
所在地:福岡市東区原田3-5-6
設 立:1976年2月
資本金:9,800万円
TEL:092-622-6292
URL:http://www.eijyu.co.jp
<代表者 プロフィール>
宇都 正行(うと まさゆき)
1944年、鹿児島市生まれ。68年、鹿児島経済大学卒業後、父の経営する「宇都建設」に入社。75年、「栄住産業」を個人創業し、76年に有限法人化。79年、福岡市に本社移転。87年、株式会社に改組し、代表取締役に就任した。趣味はゴルフと旅行。
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