ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

福岡の特選企業

ニーズに応えるリノベーション住宅の普及を目指す(後)~(株)シフトライフ
福岡の特選企業
2012年12月 1日 07:00

<たしかな技術を持つリノベーション業者の存在をアピール>
 樋口社長は、設計現場での経験が長く、企画提案については自信を持っている。ニーズに合わせてさまざまなアイディアを提供することも可能だ。現在、新規販売とリノベーションによる中古物件販売の2つの事業を手がけており、どちらも好調だ。新規物件販売の世界には頭打ちを感じているとはいえ、新築マンションも順調に売れている。東京のような大都市に比べれば、九州の各地方都市における新築物件に対する支持は高い。同社も積極的に地方に出ている。12年1月には伊万里、12年3月には唐津でのマンション施工が始まり、来年の完成を待たずして、すでに完売に近い状態だ。飯塚市や長崎県での販売予定もある。今まで1戸建て物件が多く、マンション自体が少なかった地方では、新築マンションが立てば物珍しさも手伝って、見学会に訪れる。そして、実家から独立して持ち家を求める若者や、通院に便利なようにインフラが整った街中に住みたいと望む老夫婦が『2つめの住宅』として購入する傾向が増えてきた。

 新築に限界を感じるのは、福岡市内だ。新築を建てる土地がなく、人気がある土地に建てれば高額になる。そんな場所に立つ割安な中古マンションは格好の物件だ。つまり、中古マンションが売れる要素は立地環境にあると言える。しかし、前の住人の使用感が残る中古住宅を懸念する人は多い。リノベーションをする業者がおらず、やっと探し当てても水廻りの改修だけで200~300万円近くかかると言われ、結局、高くついてしまう。『新しいものをより安く』求めるために中古へ目を向けても、魅力が乏しい。築年数が経った物件を入居者に満足を与えられる状態に復元する技術を持つ業者が、ほとんどいないのが現状だ。

 そんな問題を解消するためにも、中古物件を新築同様にできるノウハウを持つ業者の存在をアピールしようと、同社は、早良区西新にリノベーションマンションのショールームをオープンした。障子や仕切りを移動させ、開放すればワンルーム、閉めれば子どもやお年寄りのための個室、もっと部屋数がほしければ、間仕切りを増やして3DKへと、家族のスタイルが変化するのに合わせて自由に間取りを変容させていくことができる。改築前に依頼主の希望をヒアリングし、好みに合わせてクラシック、モダン、カジュアルなど、スタイルを変えた部屋づくりができる。ご家族の要望に応えたさまざまなカラーの住まいができるのも魅力だ。

 快適な住まいが、新築の分譲価格の約半分で済む。新築なら約3,500万円するところが、同社が手がければ約1,500万円程度で済む。月間で4戸行なえば年間50戸。50戸のマンションを1棟分譲するのと同じだが、リスクは50分の1で済む。収益の回転率は早いし、回収期間も1カ月~1カ月半。買い取り再販のリノベーションを1,500万円ぐらいで分譲したとして、20~30%回収すれば高利益が得られる。東京では、年間で1,000戸ぐらいリノベーションをしている業者もいるという。ノウハウを蓄積し、中古マンションを新しいかたちで蘇生させるという事業を特化させていきたいという夢も膨らむ。今後、リノベーション事業の「りのべくん」を別法人化させ、本格的に両輪で回していくことも考案中だ。

rn.jpg

<長年愛され続けるのが不動産本来の魅力>
 新築とリノベーションを両立させながらも、小回りが利くリノベーションへのシフトを検討している同社には、飯塚市中心市街区活性化事業という公共事業にも関わる予定がある。しかし、入札など、競争が激しくシビアな公共事業を自社の主幹事業とする気持ちはない。住宅でないのなら、寮や社宅やオフィスビルなどのリファインなどにも手を広げ、民間のプロジェクトを手がけていきたいのだ。中古を壊して新築を建てるにしろ、スクラップ&ビルドは費用がかかるし、CO2も出る。ヨーロッパのように古いものを大切にするような考え方に基づき、中古ビルを蘇生させていくという考えに変わりはない。

 流行りの投資型は隙間産業だが、興味はない。東京では入居者のマナーが悪くて周辺地域から苦情が来ているため、これ以上つくらせないという規制もかかっている。流行は廃れるが、分譲は内装スタイルの流行はあっても、存在自体に流行り廃りはない。永続性が求められる不動の財産なのだ。国の貴重な財源でもあることをもっと意識してもらいたいと、樋口社長は提案する。長年愛される丁寧な仕事が求められる時代のなかで、シフトライフは、自社の本領を発揮しようとしている。

(了)

≪ (前) | 

<COMPANY INFORMATION>
■(株)シフトライフ
代 表:樋口 由紀夫
所在地:福岡市中央区天神4-8-25 ニッコービル5F
設 立:2006年8月
資本金:1,000万円
TEL:092-791-6100
URL:http://www.shiftlife-corp.com/

<代表者 Profile>
higuti_s.jpg樋口 由紀夫(ひぐち・ゆきお)
 1956年5月生まれ。大分県日田市出身。80年、九州産業大学工学部建設学科卒業後、建築設計事務所に勤務。その後、福岡の大手デベロッパーを経て、06年に(株)シフトライフを設立。翌年、代表取締役就任、現在に至る。一級建築士、宅地建物取引主任者。趣味は大型バイクでのツーリング。


※記事へのご意見はこちら

福岡の特選企業一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル