ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

政治

原発汚染水問題の背景に日本的組織の"失敗の本質"(1)
政治
2013年9月20日 07:00

 福島第一原発の汚染水漏えいの問題が深刻さを増している。海外メディアなどからの批判は痛烈で、国際的な大問題に発展する恐れもあるが、安倍首相は「完全にコントロール下にある」と発言するなど日本側の対応、体制は、今なお危機感、緊迫感に欠ける。
 省庁の縦割り構造、単年度決算、お役所的な対応...などなど、以前から日本の組織的構造がはらんできた欠陥が随所に出てしまっている。
 戦前、戦後、日本が断ち切れなかった組織の歪み。組織統治における日本の"お粗末な面々"が裏目、裏目に出た結果が今回の汚染水問題だ。抜本的な解決に導く手はあるのか。
 原子力の専門家でもある環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長に聞いた。

<その場しのぎの対応>
 9月5日に河野太郎衆院議員、辻元清美衆院議員らとともに福島第一原発に赴き、現地の状況を視察してきたという飯田哲也氏。「対応と体制、そのどちらにも問題点がある」と、根本的な解決に向け、厳しい見方を示す。

視察する河野太郎議員ら (提供・飯田哲也氏) これまで東京電力は、汚染水に関して、当初は(固体廃棄物相当の)「管理型処分場」と同じ考え方で穴を掘り、そこに高密度のポリエチレンシートを2枚重ね、ベントナイトシートを敷いただけで、すぐに汚染水が漏れ出てしまった。そこで100トンの鋼鉄製タンクに貯蔵する方法に変えたが、1日に400トンもの汚染水が出るので、貯蔵しきれない。急場をしのぐ方法として、フランジ型という1,000トン入るタンクを作り、そこに貯蔵する対策を取っているが、このタンクも2日半で1つずつ増えていく。しかも、フランジ型タンクはゴムのパッキンで止めているだけなので、とても高濃度の放射能汚染水を入れるような代物ではないという。「どれも泥縄的な作業になっていて、貯蔵するタンクが増える一方。根本的な解決にはほど遠い」と、完全な収束に向けた道のりは長い。

<コントロールできていない>
 安倍晋三首相は、東京オリンピック招致のスピーチで「コントロール下にある」と発言したが、汚染水の流出に関しては、コントロールできている状況ではない。飯田氏は「コントロールできているのは、原発に批判的な人たちの声だけなのではないかと皮肉を言った人がいるけれど、その通りの状況。現場の方々は、事故収束に向け一生懸命に取り組んでおられるが、水冷式のままだと、汚染水が出るのが際限ない。どこかで空冷式に脱却するなど解決策を探さなければ...」と深刻な面持ち。危機感を持って、国を挙げて取り組まなければならない大問題。事故後、2年半を経過していながら、なぜ、ここまで被害が増大してしまったのか。

(つづく)
【岩下 昌弘】

| (2) ≫


※記事へのご意見はこちら

政治一覧
濱口和久「本気の安保論」
2013年9月25日 07:00
濱口和久「本気の安保論」
2013年9月24日 11:16
政治
2013年9月17日 07:00
政治
2013年9月13日 11:27
政治
2013年9月 9日 16:57
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
流通メルマガ
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル