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強運の安倍首相~植草一秀氏
政治
2013年9月 9日 16:57

 NET-IBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。
 今回は、安倍首相の運の強さを指摘しつつ、強運も深刻な「矛盾」の前には綻びる可能性が高いとしている9月9日付の記事を紹介する。


 考えてみれば、安倍晋三氏には「強い運」があるように見える。

 総理大臣の職を無責任に投げ出した人物が、首相の座に返り咲くこと自体が不可思議である。リベンジや再チャレンジを否定するつもりはないが、無責任な行動に対する適正な対応策は、いまだに示されていない。
 昨年12月の選挙で、安倍晋三氏が率いる自民党が大勝した最大の理由は、国民の大半が野田民主党に強い怒りの気持ちを持ったことである。「シロアリ退治なき消費税増税はおかしい」と啖呵を切っておきながら、厚顔無恥に「シロアリ退治なき消費税増税」を決めた。国民は野田民主党をせん滅しようと考えた。このことが、安倍氏にとって最大の順風になった。

 株価が急騰したのも、最大の理由は、野田政権の下で日本の株価が不当に割安な水準に暴落していたためである。財務省主導の増税まっしぐらの政策スタンスを修正しただけで、株価は2倍近い水準に暴騰したのである。
 野田のマイナスの裏側が、安倍政権が享受したプラスなのである。
 日経平均株価は5月22日に15,627円まで上昇したが、6月13日には12,455円にまで急落した。安倍政権が大きく掲げた金融緩和政策を実際に決定して実施したのが4月4日
のことだ。これを境に、日本の金利は上昇し、これが5月以降の円高回帰の原因になった。
アベノミクスの「副作用」が強烈に表面化して、安倍政権は重大な危機に直面した。あのまま株価下落が続いていたなら、安倍政権は参院選に大勝できなかったはずだ。
 ところが、日経平均株価は6月13日から7月18日にかけて急反発したのである。米国金利が上昇し、これがドル高をもたらした。ドル高=円安に連動して日本の株価が急反発した。米国金利上昇とドル高は、米国が量的金融緩和縮小の方針を表明したことによってもたらされた。米国金融政策当局の発言が、結果的に、安倍政権の窮地を救ったことになる。

 そして、三つ目の強運がオリンピック招致だ。日本が争った相手がイスタンブールとマドリッドであったから、日本招致を決めることができた。トルコの国内政治情勢不安定化、シリア情勢の緊迫化がイスタンブール支持を大幅に減少させる原因になった。マドリッドは、欧州政府債務危機問題の直撃を受けた。とてもオリンピックどころの状況ではなくなってしまったのだ。この結果として日本が選出された。日本はさらに重大な放射能問題を抱えているが、安倍氏をはじめとする日本の招致委員会メンバーが、真実ではない発言を繰り返して、IOCの支持を取り付けてしまったのだ。

 この咎が火を噴く可能性は決して低くない。原発事故に関する情報隠ぺい、虚偽情報流布の罪は限りなく重い。安倍晋三氏は強運の持ち主であるように見えるが、これだけの強運が続いたことを踏まえると、そろそろ運の使い果たしの可能性を考えるべきであるように思う。
 「禍福はあざなえる縄の如し」と言う。強運も深刻な「矛盾」の前には綻びる可能性が高い。

続きは、メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(有料)」第661号「日本政治再建のために一からの出直しが必要」にて。


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