福岡市と北九州市の中間に位置し、豊かな自然、歴史、文化に恵まれた福岡県宗像市。これまで両政令指定都市のベッドタウン的な都市として発展を遂げてきた同市は、今後、どのような方向に進んでいくのか。これまで2期8年間にわたって市長を務め、今年4月20日に3選を果たした宗像市長の谷井博美氏に、話を聞いた。
<「住んでよかった」まちづくりを>
――では最後になりますが、今後はどのようなことに力を入れていかれますか。
谷井 まずは、今まで進めてきた「安全・安心のまちづくり」、これは一番基本ですよね。市民が安全に過ごせること、防犯灯や防犯カメラの設置による防犯対策をはじめ、風水害や地震などの災害対策なども継続的に実施しております。今後も、地域防災計画の修正や緊急情報伝達システムの整備、指定避難所の食料・飲料水の備蓄、資機材の整備など、万全に取り組んでいきます。
次に、先ほどもお話ししました市民教育ですね。コミュニティ制度のなかで、市民がまちづくりを行なうこと。「市民力」を原動力に、さまざまな市民活動や地域活動が進められるよう、行政も後押ししていきます。
3つ目が、やはり財政の安定化ですよ。そのために、第3次行財政改革をやります。
さらに、宗像の資源を活かしたまちづくりです。宗像市には、ご存じのように「道の駅むなかた」がありますが、道の駅としては九州一の売上を上げています。そして、年間160万人が来場しています。昨年12月に、2008年4月のオープンから数えて来館者数900万人を突破しました。5月24日に新館もオープンしましたし、おそらく8月ぐらいまでには1,000万人を突破するでしょう。この道の駅を拠点の1つに、宗像が誇る「食」などの宗像ブランドの推進に取り組んでいきます。
ほかに、「スポーツや文化で人が輝くまちづくり」として、生涯スポーツの推進があります。これは、スポーツや運動を通じた健康づくりや子どもの体力向上などを重点項目に掲げ、スポーツ推進計画を策定してスポーツ推進条例を制定し、「スポーツによるまちづくり都市宣言」を行ないます。子どもからお年寄りまで、戸外で元気に手足を動かすことで、健康で長生きする。何もちゃんとしたスポーツという縛りではなく、レクリエーションでも散歩でも、何でもいいのです。
ほかにも市政の運営方針はさまざま掲げていますが、市民が誇りをもって「宗像に住んでよかった」と思えるまちづくりを目指し、「元気な市民と、元気なまちづくり」を基本理念に、愛する郷土・宗像のまちづくりを進めていきます。
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▼関連リンク
⇒宗像市公式ホームページ
<プロフィール>
谷井 博美(たにい・ひろみ)
1940年生まれ。63年、熊本大学法文学部卒業後、福岡県庁に入庁。92年に福岡県農政部副理事兼農政課長、97年に福岡県企画振興部長と、県の要職を歴任。99年に福岡県庁を退職し、空港周辺整備機構福岡空港事業本部理事に就任。2001年に宗像市助役に就任後、03年からは新「宗像市」助役を務める。06年に宗像市長に就任。その後、10年、14年と市長選に当選し、現在3期目を務める。
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