「入札予定価格は間違いだったということですね」記者の問いに担当課長の顔がゆがんだ。
　八女市町村会館の疑惑をめぐり、今年２月の入札が「不落」に終わったことについて、入札予定価格そのものが間違いだったのかどうかを八女市側に確認した。最初、八女市の担当課長は「間違い」を認めようとしなかった。「再入札をするとすれば予定価格は変更になると思います」と切り出した。間違いではないと言いたいらしい。以下は、取材時のやりとりである。（Ｑは記者、Ａは八女市側）

　Ｑ：間違いでなければ再入札すればいいではないか。八女市は再入札をやっていない。間違いか、間違いでないかについて確認したい。
　Ａ：次、入札するときには、価格を変更するということです

　Ｑ：だから、それは「間違いだった」ということではないのか。予定価格では工事を請けてもらえなかったのだろう？入札予定価格は？
　Ａ：1675です（16億7,500万円）

　Ｑ：これは間違いだったということでよろしいか？
（ここで担当職員と課長が相談）
　Ａ：16億7,500万円以下で請けてもらっていたら、間違いではなかったということになるんですが…。
　 （入札が）不落になって検証したら、１億7000万円くらい(別途費用が)出てきたから金額を変えるということになったんですから…。

　Ｑ：それはおかしいだろう。その後の検討でこの金額（16億7,500万円）ではできないことが分かったと言ってきたはず。つまり、入札予定価格が間違いだったということではないか？
　Ａ：そういうふうなことでいけばそうなると思いますよ。だけど、予定価格の16億7,500万円で業者さんが、うちはできるということで落ちておけば（落札していればの意）、間違いではないではないですか。

　Ｑ：そうすると、入札参加資格を県内に広げていれば、入札は成立したかもしれないということではないか。しかし、八女市はそれをやっていない。旧郡内業者だけで結論を出したではないか？
　Ａ：・・・・・。

　Ｑ：市民説明会などでは、調べたらもっと金がかかることが分かったと言ってきたではないか。つまり間違いだったということ。設計会社のミスだと明言してきたではないか。ミスがあったから、予定価格を間違ったということでしょう？
　Ａ：（首を縦にふって）うん。

　八女市が「間違い」を認めた瞬間であった。しかし、２月の入札で落札されていれば、「間違い」にはならなかったと何度も繰り返す。これは「落札される可能性があった」ということに他ならない。全ての共同企業体が辞退もしくは失格になったことに対し、八女市側の責任はなかったとの思いが強くにじむ。何かが隠されている…。

（つづく）

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