19日、20日の2日間、現地で取材した限りでは河村市長の行くところ市民の人だかりができた。それは有権者に限らない。子どもや高校生が笑顔で握手を求めてくる。また、そうした子どもも含めて多くの市民と意見を交換する河村市長の姿が取材中何度も見受けられた。
あるマスコミ関係者は、「リコールが成功し市議会が解散しても、小選挙区で選挙が行なわれない限り、市長派議員が議決権を得ることはできないのでは?」との疑問を抱いていた。たしかに、河村市長が立てる議員が上位を独占して当選しても、残りの議席で反対派が多数を占める可能性は高い。
1万票で通っても2千票で通っても同じ1議席。具体的な例では、名古屋市と同じく市長と議会が対立している鹿児島県の阿久根市があげられる。2009年3月22日に投開票が行なわれた市議会議員選挙では、市長派議員5人(うちひとりは後に反対派へ)が上位を独占した。しかし、残りの11議席で反対派議員が当選し、多数派となっている。
市長と市議会、それぞれが主張する『民意』のズレ。請求代表者のひとり、船橋旭さんは、市民講師としてさまざまな講演活動を行なっている。船橋さんは、直近の選挙結果から考えて、「市長が得た民意を尊重すべき」との意見を述べた。
そもそも現在の市議会議員が選ばれたのは約4年前の2007年4月8日の選挙です。投票率は39.97%でした。一方、河村氏が当選した市長選挙は2009年4月26日。投票率は50.54%です。どちらの民意が現状に即していると思いますか?
船橋さんと同じく、ボランティアとして参加している市民運動家の宮永正義さんは河村氏が当選した市長選挙を振り返る。
そもそも河村さんの選挙時、民主党市議会議員は動きませんでした。後押ししたのは、市民グループ36団体です。勝手連を組んだ市民たちが、8万枚のビラを配布したのです。現在は、『ナゴヤ庶民連』として結集し、河村市政のチェック&サポートを行なっています。
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