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未来トレンド分析シリーズ

増え続ける原発ビジネスのリスクと日本の対応(2)
未来トレンド分析シリーズ
2011年8月30日 07:00
総務政務官 浜田 和幸

福島第一原発の事故 3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原発の事故を受け、中国政府は新規の原発建設計画の審査手続きを一時凍結した。と同時に、現在稼働中のすべての原発の安全点検を指示した。
 とはいえ、中国政府の説明によれば「福島第一原発の事故は旧式の原発がもたらした事故であり、最新鋭の原発技術を導入している中国では日本で発生したような事故の可能性はない。世界的なエネルギー不足や気候変動に対応するためには、原発は重要な選択肢であり今後も予定通り建設を続ける」とのことである。今年末までに安全計画をさらに強化し、新規原発の建設承認作業を再開する方針を打ち出しており、さらに原発建設を今以上に加速させる方針も新たに明らかにしている。

 中国の原子炉は、その大半に外国の技術を導入している。とくに、フランス、カナダ、ロシア、アメリカの原子力発電技術が広く採用されている。しかし最近は中国独自の原子炉開発に積極的に取り組んでおり、すでに5基の国産原子炉が稼働中である。また、現在建設中の28基の原子炉のうち、実に22基は中国自前の技術で設計された原子炉である。中国では電力の送発電に関しては基本的に国家が関与しており、国の持ち株会社5社が電力会社として電力供給のサービスにあたっている。

 原子力発電に限って言えば、これら5大電力会社よりも広東核電集団と中国核工業集団の2社が高い実績を誇っている。ほかの発電事業が、国務院の下部組織である国家発展改革委員会の監督下にあるのに対し、原子力発電に関しては国務院が全面的な監督官庁と位置付けられている。

 さらに中国は、今では自前の原発を海外に輸出するまでになってきた。たとえば、2010年、パキスタンに技術協力を実施。第3世代の原子炉と言われるCNP1000の開発も独自に進め、南アフリカ、サウジアラビア、アルゼンチンに売り込みをかけている模様である。中国のセールスポイントは、「フランスのアレヴァ社の誇る第3世代原子炉よりも値段が3割安い」という点である。

(つづく)

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<プロフィール>
浜田和幸氏浜田 和幸(はまだ かずゆき)
参議院議員。国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選を果たした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務政務官に就任。震災復興に尽力している。

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