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竹原信一氏・特別寄稿

前阿久根市長・竹原信一が語る「ひどすぎる国家のしくみ~その4」
竹原信一氏・特別寄稿
2011年8月12日 07:00

<国家の姿は国民のこころ>
 日本人は批判されることをひどく嫌います。ですから、どのような場面でも批判される可能性のある言葉を避け、当たり障りのないあいさつで自分を「世間」からガードします。印象にも記憶にも残らない、良い話のような気はするが、何を言ったのかわからないのが良いあいさつ、とにかく「和」が何にも増して大切なのです。

 日本人が恐れている「世間」とは、身内の外側に居る、どちらかと言えば悪い噂の大好きな、自分の値打ちを勝手に決めつける非常に怖い存在です。この「世間」は、役所や既得権益とも心理的につながっています。日本人のほとんどが、このような「世間」に怯えながら暮らしています。すべての判断に「世間」が入り込みます。「世間」に対しては良くも悪くも目立ってはいけない。支配する側にとって、実に都合の良い心理状態です。

 しかし、集団になれば事情が異なります。
竹原信一氏 集団の仲間を「みんな」と呼び、それが犯罪であっても「みんな」の利益ために犠牲を引き受ける者が賞賛されます。たとえば自治労、この組織には「組合犠牲者救援規則」なるものが存在し、「組合の利益に沿ったことであれば、そのために服役することになった場合でも組合が損失を補てんする」という規則を持っています。「組織のためなら服役も辞さない」まるで強盗団です。自治労は、犯罪予備集団と言っても過言ではありません。この体質は自治労に限らない。警察も、検察も、裁判所もせっせと裏金作りに精を出しており、それを告発した人間を逮捕、投獄してきました。泥棒をやめるつもりはありません。「国を食い物にする互助会」それが公務員組織の本質です。

 この様な組織が選挙事務をやり、予算を作り、法律を作り、裁判までしているのですから、日本がまともな国であろうはずがありません。

 実は、この事情は民間企業でも、その他の集団でも同様です。この国では、身を挺して仲間の利益を守るのは、それが犯罪であっても美徳とされます。仲間のために全体を裏切るのが「日本流 和の文化」です。
「みんながやらないのは正しくない。みんながやれば構わない。みんなが褒めるからやっちまえ。どうせみんな、みんなの責任だ」。全体をこんな心理が支配していると言っても良いでしょう。

 世間や批判を恐れる臆病な善人たちが、仲間のために身を挺して悪事を働き、仲間が彼を守り「和」を守る。日本のあらゆるところがこの仕組みで動いているのがわかります。すなわち、日本は国家と言うよりも、いわば組合(ギルド)の寄せ集めでしかないのです。
 日本人、とくに政治家は同時に複数の「ギルド」に参加していて、その時々の都合で正反対の見解を表明することすらできます。「個人としては反対だが、立場があるから不正な世論操作に加担する」など、成り行き次第で正反対の集団に身も心も売り渡す、実に不思議で節操の無い生き物です。それから、選挙は候補者が多数のギルドから支持を取り付ける競争です。当選した者は新たなギルドを守る。だから国民は政治家に大した期待もしていないし、騙されることにも慣れていて、表立って怒りもしない。ここでも「和」の精神です。

 原発や放射線被害に関し、政府や保安委員、電力会社がテレビ局、新聞社などと共に組織的に国民を欺いてきたことが明らかになってきています。それでも嘘を止めようとはせず、よりたくさんの嘘で、嘘がなかったことにしようとしています。
 政府見解も道理が通らずあやふやなのも、数多くの利権集団が連携して政治家を騙し続けているせいに違いありません。政治家自身も、その時々で都合の良い集団の嘘に乗ることで精神のバランスを保っている。
すなわち、日本の集団には仲間の輪を壊すようなリーダーはいらない。そもそも存在することができない。

 日本に戦争を始めさせたのも小集団の「和」でありました。理念も道理も国民の安全も関係なしに「小集団の和」を理由に物事が決まってしまう。それがこの国、日本です。私たち国民も小集団の「和」に良心を貢ぐのに慣れてしまいました。

 このように、国民全体を裏切る国家の姿は私たち自身の心の姿なのです。

(つづく)

【竹原 信一】

≪ (3・後) 

<プロフィール>
竹原 信一 (たけはら しんいち)
竹原信一氏前阿久根市長・1959年、鹿児島県生まれ。元航空自衛官(88年退官)。阿久根市議を経て08年、阿久根市長選で初当選。ブログでの情報発信や市職員の給与明細全面公開など数々の"掟破り"の手法で市政改革に取り組んだ。11年、市長リコールにともなう出直し選挙において864票差で敗れ失職。同年、鹿児島県議選に出馬するも落選。

オフィシャルブログ「住民至上主義」


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