福岡市に本社を構え、トランクルームやコインロッカーなどの建築金物の製造販売を手掛ける(株)九州フジコー販売。顧客の要求が多いコンビニエンスストアに設置する「クリーニングBOX」や、ゴルフ場コースにおける自販機のキャッシュレスシステムの企画開発などを行なうなど同社を含む3社で新たな事業展開を始めた。
<3社の企画・技術力を結集しコンビニ業界に参入>
この「クリーニングBOX」(写真)はコンビニエンスストアが24時間営業である点に着目し、店内にBOXを設置。BOXに洗濯物を預けてクリーニング後受け取るシステムとなっている。利用者は会員登録時にICチップが埋め込まれたカードを取得。また、同社らが開発したセキュリティシステムなどが装備され安全面は強化されている。コンビニエンスストアの利便性と相まって、特に、勤務時間が不規則な人々に重宝されるだろう。
現在、首都圏のコンビニエンスストア「ミニストップ」70店舗で設置されており、全国展開も視野に入れている。まずは、2012年2月に名古屋・大阪の都市圏にある「ミニストップ」店舗内の設置が決定しており、都市圏を中心に広がりを見せている。
この事業展開には、同社と同社の主要株主である三島精器(株)(岐阜県)とユタカ電気(株)の3社が参画。各社が得意分野を受け持ち、シンプルかつ安価で優れたシステムを盛り込んだことでコンペにおいて選定6グループから同社らが勝ち抜いた。
<ゴルフ場コースの自販機のキャッシュレスシステム開発も>
同社はゴルフ場向けに多彩なロッカーや周辺機器の製造販売を手掛けてきた。ICチップが埋め込まれたカードの普及によるキャッシュレス化が進んできたことで、現在、自販機との連動システムを導入する取り組みも始まった。
たとえば、ゴルフ場のコースに入り競技が開始されたらなかなか外には出られない。しかも、のどが渇いても自販機はなく、あっても小銭もないといった状態だとドリンクの購入をあきらめざるを得ない。しかし、コースの要所に自販機を設置し、ICチップ入りのスコアカードがあればキャッシュレスでドリンクなどの購入が可能となり、また、ゴルフ場のサービス向上につながる。
実際に鹿央ゴルフ倶楽部(熊本県)では導入後「ついで買い」の影響で売上が伸びたとの報告がなされているという。
<3社共同開発の強みで市場開拓へ>
今後は「今までの技術を継承しながら、今回のような新しい企画や市場開拓を行なっていきます」と、大溝社長。同社の強みは、主要株主との技術連携で安価で機能的な製品の提供ができることと、企画、製造の両面でスピーディであることだ。加えて、付加価値をつけた商品開発に余念がないこともあり、今後の事業展開が楽しみな1社と言える。
<COMPANY INFORMATION>
■(株)九州フジコー販売
本 社:福岡市中央区赤坂3-13-27
東京 支店:東京都中央区銀座2-9-12-5F
大阪営業所:大阪市中央区高麗橋2-4-6-6F
代 表:大溝久男
資 本 金:5,000万円
TEL:092-721-0781(福岡本社)
URL:http://www.kfjk.co.jp/
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら