不運、メインバンクが動けない
<歴史を振り返ると違和感ばかり>
ザ・クイーンズヒルゴルフ場に隣接するところに、福岡雷山ゴルフ倶楽部がある。ここの理事長に、西日本シティ銀行会長の本田正寛氏が就任した。永い銀行付き合いのある経営者たちは、「どうして本田さんが雷山の理事長になるの?ザ・クイーンズヒルゴルフ場の理事長になるのが筋だろう」と違和感を覚えるのではないか!!
ところが冷静に考えると、「あーそうか!!本田さんは西日本シティ銀行の会長だからな」と納得することになるのだ(本田会長の本籍は旧・福岡シティ銀行である)。
ここに、田原社長の不幸がある。もともと雷山ゴルフ倶楽部のメイン行は旧・西日本銀行であり、ザ・クイーンズヒルゴルフ場のメイン行は旧・福岡シティ銀行であったのだ(田原社長が経営するソロンのメインは旧・福岡シティ銀行)。だから当初、ゴルフ場の理事長は、旧・福岡シティ銀行のオーナーであった四島司氏にお願いした。
田原氏の不幸とは、旧・西日本銀行側の主導権で、旧・福岡シティ銀行が飲み干されて合併したことである。だからどうしても、銀行からのザ・クイーンズヒルゴルフ場への対応は、後手後手に終始してきたのだ。
<西日本シティ銀行のジレンマ>
従来、旧・西日本銀行時代のメイン先であったゴルフ場に対して、西日本シティ銀行は鮮やかな再生の布石を打ってきた。
前述した福岡雷山ゴルフ倶楽部も、オーナー企業(ラインビルディング)の行き詰まりにより成り行きが注目されていた。メインバンクとして、雷山ゴルフ倶楽部が民事再生法を申請させる事態になれば、大事になってしまう。取引先にはゴルフ会員権を斡旋した手前、クレームの発生する事態を懸念しなければならなかった。この最悪の事態を阻止するために、芥屋ゴルフ倶楽部を運営する福高観光開発に引き取っていただいた。『引き取らせた』という表現は語弊が生じるだろう。厳密に言えば、この会社を経営する高倉一党にふり当てたのである。
また同様に、筑紫ヶ丘ゴルフクラブも27ホールの拡張で経営破綻危機を招いた。このオーナー企業のメインも旧・西日本銀行であった。取引先企業の批判を封じるために、先んじてまたまた福高観光開発の一党に押しつけたのである。この手際は「見事、あっ晴れ!!」と称賛する。ところが、ザ・クイーンズヒルゴルフ場のメインは旧・福岡シティ銀行である。旧・西日本銀行出身で占める経営陣が、対策を後回しにしたことは成り行きだ。理解する。批判される筋合いでもない。
そしてザ・クイーンズヒルゴルフ場の2回目の【会員資格保証金返還】の期限が迫った。銀行サイドも対策を講じたようだが、如何せん福高観光開発のような企業の存在が見当たらない。オリックスのような"禿げ鷹"にゴルフ場を譲るとなると、法的申請をして二束三文で収奪されていく。企業会員の批判が続出することは明白である。今までの苦労が水の泡になる。周囲の利害関係者が納得できる根本的な策がなかったが故に、西日本シティ銀行としては動きたくても動けなかったのである。
このコーナーで3回、触れる。田原社長は不運であったのだ。不運の現実を受け止めて、再度、【破産・廃業の奨め】を提案する。
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