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激突!那珂川町長選挙(5) 選挙の背景~地のもん対ヨソもん
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2012年8月16日 15:00

 14日に告示された那珂川町長選挙では、地元出身の現職・武末茂喜氏(59)に町外からの転入者である新人の元町議・森田俊文氏(48)の一騎打ちとなった。告示当日、両陣営はそれぞれ出陣式を行なったが、その内容は対照的であった。
森田氏は、午前8時に現人神社でお祓いを受け、神社横の公民館の駐車場に集まった支持者約50人の前で第一声をあげた。対する武末氏は、午前9時30分、選挙事務所で第一声を上げた。顔をそろえたのは、国会議員、県議会議員、町議会議員、地元の区長はじめ地区世話人など関係者約500人である。

0816_rikkouhosya.jpg 1956(昭和31)年に那珂川町が誕生して以来、同町長のイスは地元出身者、地元の方言で言うと「地のもん」が占めてきたが、今回の選挙では、同じく方言で言うと「ヨソもん」(よそ者)が対抗馬として立候補することになる。
 「地のもん」の定義に明確なものはないが、先祖代々那珂川町に住んでいる者、名前を聞いただけで地元出身とわかる姓を持っている者という。取材でよく耳にしたのは、「40年住んでもヨソもん」とか、「自治会で意見しようものなら『あんたヨソもんのくせ何言いよっとな?』と怒られた」といった、「ヨソもん」の人たちの嘆きの声だった。

 しかしながら現在、那珂川町の人口の8割を「ヨソもん」が占めている。さらに、現在の町議会の構成をみると、17名中16名が「ヨソもん」だ。となれば「ヨソもん」の町長が出ても不思議ではないが、そこには「議会は仕方ないが町長だけは『ヨソもん』では駄目」という「地のもん」の強い思いがある。
 伝統や文化を先祖代々守ってきた「地のもん」たちの那珂川町に対する愛着は深い。「ヨソもん」たちにとってみると、地域の行事には遠慮があってなかなか入りづらい。地域の担い手の核は「地のもん」、それを自治会費や手伝いなどの労役で支えているのが「ヨソもん」である。しかし、少子高齢化社会を迎え、地域の行事などを「地のもん」だけで担っていくのは難しくなってきている。

 これまでの町長選挙は「地のもん」同士の戦いであった。それは地域を半分に割る政争の歴史で、今でも、その時のしこりや遺恨があるという。今回は、「地のもん」の現職町長対「ヨソもん」の新人の戦いである。「地のもん」の人々にとってみれば、これまで「地のもん」同士で戦ってきたが、対「ヨソもん」で共闘していくか、それとも新しい「ヨソもん」のリーダーを受け入れるのかという選択に迫られる。「ヨソもん」の人々にとってみれば、那珂川町は新たな故郷である。自然豊かな同町で子育てをして老後も生活していきたいという願いで転入してきた「ヨソもん」も少なくはない。「地のもん」とか「ヨソもん」とか、わけられることのほうがおかしい。わけ隔てなく、生活ができればそれでいいという声は強い。

 少数派ながら地域の既得権を持つ「地のもん」、圧倒的多数ながらいまだ町のリーダーを生み出せていない「ヨソもん」。町民の構図がどのような結果へとつながるか。同選挙の投開票は19日に行なわれる。

【吾妻 光明】

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