15日、尖閣諸島の魚釣島に香港の活動家が上陸。某ソーシャルメディアで知り合った日本を旅行中の香港人4人(大学生、専門学校生、10~20代)に話を聞く機会があった(彼らは独学で日本語を勉強していて、流暢ではないが、日常会話に支障のない日本語を話せる。親日寄りではあるが、ごく一般的な香港の若者である)。
彼らによると、中国本土は別にして、「香港の若者の多くは、中国が嫌いという人が多いです。香港でも小規模の反日デモが起きましたが、中国本土のものと比べると、小さかった」と、日本で報道されているほどに香港での反日デモや上陸した活動家らを英雄視する状況は過熱していないという。日本では、上陸した活動家らが強制送還された後、反日一色との報道も見られたが、実際にはそうではなさそうだ。香港のメディアは、活動家らを"英雄凱旋"とたたえたが、話を聞いた4人は、「英雄ではなく、反体制のパフォーマー。国同士の問題と思う。自分は、尖閣諸島は日本の領土だと思っています」と冷静に捉えていた。
そのなかの1人は、「中国政府は、ごまかしが多い。香港の教科書には、六四(1989年6月4日の天安門事件)のことが載っていますが、北京の教科書には載っていません。おかしい状況だと思います」と話した。
中国各地より先に経済的に裕福になった香港は、日本の電化製品を使ったり、日本文化に触れたりする機会も多かった。「僕らは、小さい頃から日本の電化製品を使っていましたし、日本の文化も好きです。むしろ、中国本土より親しみがある」と話した。
なぜ中国本土からではなく、香港の活動家が魚釣島に上陸したかについては、「(上陸した活動団体の)保釣行動委員会は、香港だけでなく、台湾、中国本土、マカオの同様の団体とも連携している。中国本土から拠点を香港に移しただけなのでは」という見方を示す。
香港への影響力を年々、増している中国。中国からの人口流入や、中国による香港の教育改革、本土からの車での旅行解禁などに対して、香港では反発が多かった。今回の尖閣上陸は、香港人の目を日本に向けさせるためのパフォーマンスとも考えられる。
「活動家は10月にも上陸すると言っていますよ」。
27日、東京都の尖閣諸島への上陸許可申請は、却下されるという結果に。日本固有の領土であるならば上陸許可を申請しなければならないという状況さえおかしいのではないか。日本人は上陸できないのに、活動家たちを上陸させていいのか。10月にも尖閣上陸を目論む活動家に対し、国はどう対処するのか。
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