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観光資源・宇都宮餃子レポート(2)~都市経済を活性化した日常食
特別取材
2012年8月31日 07:00

<地方都市活性化に成功>
gyozazou.jpg 餃子がなければ、観光客からはスルーされるというと失礼だが、餃子が、宇都宮に足を伸ばし、観光客の足を止める資源となっていることは間違いない。昨年は、東日本大震災の風評被害などで、日光を中心とした栃木県への観光客は外国人を含めて減ったが、宇都宮餃子の認知度は、栃木県出身の漫才コンビ、U字工事などの奮戦で順調に全国区に広まっていると言っていいだろう。宇都宮市には、約200店舗(宇都宮餃子会加盟店は約80店舗)の餃子を出す店がひしめいており、「餃子」が宇都宮を特徴づける1つの要素となっている。宇都宮ほどに日常的な食が、都市の経済を潤しているのは、全国的に見ても珍しい。

 宇都宮餃子会の鈴木章弘氏は、「宇都宮では餃子を食べるのは当たり前になっていて、その餃子をきっかけに宇都宮に来てみようと思ってもらえるのはうれしいですね。外国人の観光客は、日光に来たついでに宇都宮に餃子を食べにきてくれる人も多いようです。外国人向けのテレビ番組で宇都宮餃子を紹介したいなどのオファーも実際にあります」と、海外からも注目を集めているという。宇都宮は、日常食を軸にしての都市活性化に、どのようにして成功したのか。

<なぜ、宇都宮で餃子なのか?>
gyoretu.jpg そもそも、なぜ宇都宮においしい餃子の店がこれほど多いかについて、諸説ある。有力なのは、1900年代に結成され、宇都宮に駐留していた日本陸軍第14師団と、中国の旧満州地方(東北部)に行っていた開拓団が名産の餃子を持ち帰ったというもの。1920年代に、第14師団は、中国東北部に遠征。第2次世界大戦でも旧満州を転戦。戦後、陸軍14師団と、中国の旧満州地方に行っていた開拓団が宇都宮に引き揚げてきた。中国の東北地方で、餃子の作り方、味を、覚えてきた軍人や旧満州地方開拓団の人たちが、餃子を作り、周囲にも振る舞った。

 引き揚げてきた人たちのための寮が宇都宮にはあり、その引き揚げ寮で100人規模での餃子パーティが行なわれたりしていたという。そこで作られた餃子は、近隣の住人にも振る舞われ、徐々に地元の食として好まれるようになった。「宇都宮の老舗餃子店『幸楽』の店主のお母さんの時代に、毎週のように餃子パーティをやっていたという話を聞きました。材料も入手しやすく、手軽に作れておいしいということで、宇都宮に広がっていった」(宇都宮餃子会・鈴木氏)

(つづく)
【岩下 昌弘】

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