＜屋根を進化させていく＞
　同社の手がける屋上緑化・庭園で、飛躍的に業績が向上した企業の事例がある。
　その企業は、新築とリノベーション事業を中心に手がける中部地方の企業で、リノベーション事業を行なっているので、『モノを大切に使う』『今のモノで新たな価値を生み出し後世へ伝える、繋ぐ』という理念を持っていた。そして、新築においても、新たな付加価値やライフスタイルを提案でき、地球環境へ貢献できる住宅を提供したいという想いがあった。そのため、屋上緑化・庭園に行き着いたのである。そして同社とジョイントした結果、それまでは新築が年間10棟程度の竣工であったが、現在は100棟近い実績を残している。屋上緑化・庭園が、顧客に望まれている住まいのかたちであることが証明された、事例の１つである。コスト面でも、「通常の新築住宅の価格と変わらないくらいか、少しプラスアルファする程度です」（宇都氏）。

　日本の新築住宅着工数は、現在は80万戸前後で推移しており、うち戸建は40万戸とされている。
　「2015年には56万戸、2020年には40万戸と減少傾向が予想されます。そのうち戸建市場のシェアは、50～60％です。よって2020年には、現在の市場の半分程度になるでしょう。よって今後は、中古住宅の市場へ着目していきます。リノベーションが今や住宅業界のキーファクターの１つとなっております。もともと家というものは、代々永く住むものです。それは、モノを大切にする心です。居住空間のリノベーションと同じように、屋根も変えて屋上緑化・庭園にする。そして永く住むことで家を大切にできます。
　ようやく認知されてきましたが、まだまだ発展する市場です。工務店のお役に立つこと、そしてお客さまの豊かな日常生活の提案を理念に邁進していきます」と、今後の展望を述べる宇都氏。

　屋根においては、屋上緑化・庭園以外にも屋根に穴を開けない磁石による太陽光パネルのシステム『レインボウマグソーラーシステム』を推進している。金属防水の第一人者である同社の強みを活かした製品・サービスである。そして、そのソーラーシステムを活用した『屋根借り』事業をスタートさせている。それは、ある建物の屋根を借りて（20年間の屋根賃貸契約）同社の太陽光発電システムを搭載し、屋根自体の資産価値を高めたうえ、その建物の価値も同様に上がるという構想である。モデルとしては、初期投資した分は売電収入にて10年間でペイできる。加えて、１m²あたり150～200円/年の賃料が支払われ、グリーン投資減税による節税効果が見込めるというもの。このシステムも、宇都氏が掲げる『屋根の革命』の１つであると言えよう。

　同社の屋根に賭ける情熱が、日本の住まいを変え、そして豊かなライフスタイルの構築に貢献していくことを期待したい。

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＜COMPANY INFORMATION＞
■（株）栄住産業
代　表：宇都　正行
所在地：福岡市東区原田3-5-6
設　立：1976年２月
資本金：9,800万円
事業内容：屋上緑化、金属防水施工、太陽光発電システム設置他住設備機器販売
ＵＲＬ：http://www.eijyu.co.jp/

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