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「維新銀行 第二部 払暁」~第1章 谷野頭取交代劇への序曲(14)
経済小説
2012年10月10日 07:00

<二頭体制崩壊の背景(14)>
 谷本の跡を継いで頭取となった谷野は山上の保険勧誘を禁止し、東南支店長と山上との癒着を断ち切ろうとして谷本と山上の反発を招き、一気に谷野頭取交代の謀議を誘発する原因になっていった。

 ここで吉沢常務と沢谷専務との会話を中断し、2003年4月24日(木)の沢谷東南支店長と第五生命の山上正代の動きと、谷本頭取の意を受けて山上の保険勧誘を支援する、維新銀行の歴代東南支店長が果たした役割について触れておきたい。

 山上が勤務する第五生命の東南営業部は維新銀行東南支店の北西に位置しており、歩いて2~3分の近い場所にあった。谷本が頭取に就任した1992年6月、クーデター未遂事件で谷本派に加担した城戸訓(第6代組合副委員長)が取締役東南支店長に就任。続いて桜木高志(第12代組合委員長)が取締役東南支店長となり、組合出身の支店長が2代続いた。しかし桜木は4年間東南支店長を務めたが、その間、山上が個別に保険勧誘することについては黙認したが、決して自らは積極的に動くことはしなかった。山上に一定の距離を置く姿勢を示したため、谷本と山上の心証を害し、常務になることなく取締役で維新銀行を去った。

bgns_8.jpg その後を受けて97年6月、谷本の腹心である栗野和男が常務となって東南支店長に就任。山上の保険勧誘を積極的に支援した功績が認められ、その2年後の99年専務に昇進。2002年6月、谷本が相談役に退くと栗野は会長に抜擢された。谷野頭取との二頭体制がスタートしたが長くは続かず、やがて崩壊の道を辿ることになった。
 栗野の跡を受けて沢谷が常務取締役東南支店長となり、東南支店長のポストは再び、組合幹部出身者が占めるようになった。沢谷は地区支店長のみならず他地区の支店長にも号令を掛け、山上の保険勧誘に積極的に協力した功績が谷本に認められ、維新銀行始まって以来高卒の専務取締役が誕生したが、維新銀行内部では異常な情実人事と受け取る者が多かった。
 東南支店の背景をについて説明したので話を元に戻すことにしたい。

 沢谷は吉沢の話を聞き終えると、「実は3時から今まで山上さんと話をしていたんだが、話によると谷本相談役から防衛協会の役員会に出席した後、吉沢常務と重要な話をすることになっている。ついては同じ趣旨のことを沢谷専務に伝えるようにとの指示を受けて説明にきたと話されたが、先程吉沢常務から聞いた内容と同じであった」と伝え、「谷野頭取の更迭に向け、我々2人が中心になって行動してほしいと言われた」と吉沢に同意を求めると、吉沢は「やりましょう」と、大きな声を返してきた。二人は安芸本部長の北野常務と東部支店長の松木取締役2名に、明日の夕刻東南支店に来てもらうことを決めた。

(つづく)
【北山 譲】

≪ (13) | (第2章・1) ≫

※この作品はフィクションであり、登場する企業、団体、人物設定等については特定したものでありません。

▼関連リンク
・「維新銀行 第二部 払暁」~第1章 谷野頭取交代劇への序曲(1)


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