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【流通】百貨店は生き残れるか(下)
流通
2013年5月 5日 07:00

<しまむらをテナントで導入>
 とはいえトキハに明るいニュースがないわけではない。売上不振に悩んでいたトキハ別府店に12年8月、婦人服のしまむらの「ファッションセンターしまむら」に加え、若年層の衣料品店「アベイル」、雑貨店「シャンブル」のテナントを2階部分に導入するテコ入れを行なった。店舗の外壁にはこれらのテナントのブランド名が掲げられ、「まさか百貨店のテナントにしまむらが入るとは」と業界をあっと言わせた。百貨店がしまむらを入れたという英断を評価する声もあり、さすが時代を先取りするトキハだという声も多く聞かれた。現在のところ、「しまむら」導入が別府店全体の集客増加につながっているようだ。トキハは故・上妻亨氏の意思を受け継ぎ、従来の百貨店にはない動きを取る事で生き残ってきた。ゆえに数ある百貨店のなかでも底力があることを周囲は認めている。

大分駅 トキハの喫緊の問題としては、2年後に控えたアミュプラザ大分の開業にともない、トキハ本店でどのようにして集客力を上げるかであろう。百貨店全体では、利用客の高齢化が指摘されている。単なるモータリゼーション化による売上減ではなく、従来の百貨店ファン層が60~80歳台と高齢化し、おじいちゃんおばあちゃん世代の店舗になっているという指摘もある。

 業界関係者によると、「高級路線をひた走り、他社(百貨店を含めた小売業)との差別化を図る」という意見もあれば、「仮に60~80歳台が顧客の中心ならば、足元商圏を固めていくしかない」(業界関係者)という意見もある。

<三世代を魅了する仕掛けが必要>
 現実問題としては百貨店周辺に住み、歩いて来店できる客層をいかに多く取り込めるかが重要になってくるのかもしれない。まずは、これらの世代に受け入れられるテナントの出店に加え、息子の世代、孫の世代の3世代が百貨店で楽しむことができる仕掛けづくりが急務ではなかろうか。

 「北海道物産展のときは足を運ぶが、それ以外は行かない」(30代男性)、「トキハ道の駅はお年寄りには喜ばれるかもしれないが、息子の世代や孫の世代は喜ばない」(30代女性)などと現状は目玉が乏しい状況が続いている。駐車場代を払ってまで行こうと思わないという意見も大多数を占める。
 それならば例えば、"最上階にお年寄りらがかかりつけできる医療施設、介護老人ホーム、子供玩具のトイザラス、家電量販店のヤマダ電機、DIY店のニトリなどが入り、デパ地下で買い物をする"というのは、どうだろう。一見すればイオンモールやゆめタウンなどが、これらの要素を兼ね備えたモール構成を実現させることで成功を収めてきた。ならば百貨店でも、このような大胆なテナント入れ替えにチャレンジしても良いのではないか。都心部に郊外型のテナントを導入し、駐車場もタダにすれば、かつてのような集客が可能になるのかもしれない。「しまむら」を導入し、百貨店業界をアッと言わせた同社ならばできるのではなかろうか。九州を代表する百貨店だけに、トキハの今後の活躍を期待しているのは私だけではないだろう。

(了)
【矢野 寛之】

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