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変貌を遂げるラオス・首都ビエンチャン(前)~ラオス現地レポート
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2013年5月 5日 07:00

 ラオスは今、経済発展のフロンティアにある。多くの日本の大企業は、人口が多く、市場が大きいミャンマーを最後のフロンティアと捉えているが、東南アジアの交通の要所に位置し、豊富な水資源による水力発電で電力供給が安定しているラオスにもチャンスはあふれている。
 日本は、これまでODAで道路を作ったり、橋を架けたり、送電網を作ったり、継続的にラオスを支援してきた。しかし、ラオスが経済急成長期に入った今、水力発電、農業、サービス業など、いたるところにビジネスチャンスが眠っているにも関わらず、残念ながら不動産開発などで利に敏い中国、ベトナム、タイ、韓国などにリードを許している。
 今、ラオスの旭日は昇ろうとしている。日本のビジネスマンは、そこにある商機をつかむことができるのか。
 ここ2、3年で大きく変貌を遂げるラオスの首都ビエンチャンをレポートする。

<今、経済はうなぎ上り>
 ハノイからの経由便で、ラオスの首都ビエンチャンに入った。欧米からの観光客や、日本人、韓国人、中国人のビジネスマンの姿が目に入る。

laos_1.jpg 空港からタクシーで市街地に向かう。記者の岩下は、06年に観光旅行でラオスを訪れたことがある。排気ガスのにおい、トゥクトゥク(三輪車タクシー)のエンジン音が、アジアの活力、熱気を感じさせる。市街地へ向かう国道では、車がひっきりなしに往来している。ここは本当に、あののんびりしていたビエンチャンかと見まがう。「タイか、ベトナムか、どこかでは?」。走る車を目で追うと、トヨタ、ホンダ、ヒュンダイ・・・アジアの車だけでなく、ポルシェなど高級外車も走っている。目に入る風景が、あまりにも急激に変化していて、驚くばかり。

 2006年の印象はと言えば、「首都なのに何もないな」というのが正直なところ。ビジネスマンの往来もさほどなく、外国人観光客は、欧米人、日本人の姿はちらほらあったが、中国人、ベトナム人を見ることはほとんどなかった。それどころか、車が走っているのを見かけるのもまれだった。

 この7年で何が起こったのか?ビエンチャン市街は、都市化が進み、富裕層だけでなく、中間層の購買力も上がっているのが一目でわかる。今や、中間層も自動車に手が届くほど裕福になり、道路整備が間に合わず、街中は渋滞を引き起こしている。

<トゥクトゥクの横をランボルギーニが>
 経済急成長の目安の一つに、自動車、バイクの増え具合がある。それもボロい中古車ではなく、日本で中間層が購入するのと同じ車種。それ以上のものも見かける。フォルクスワーゲン、メルセデスベンツ、フェラーリ、はてには、日本でもめったに見かけないランボルギーニが走っている。アジアの庶民の足であるトゥクトゥクが走る同じ道路を、日本では六本木でたまに見かける車高の低いランボルギーニが走っていくのは、不思議な光景だ。ランドローバーの販売店で販売員に話を聞くと、「月に2~4台は売れます」と言う。値札には、16万ドルと書いてある。中古のロールスロイスは日本円で4億円程度するそうだが、これも結構売れるらしい。それも、外国人ではなく、ラオス人が買っていく。

laos_2.jpglaos_3.jpg

 このところ、不動産開発などで利益を得た富裕層に「金余り」現象が見られるのだという。ラオスで水力発電、農業などの事業を手がける赤坂綜合事務所の東南アジア総本部、ラオス代表の飯田国大氏は、「ラオスには、日本ほどにお金を使うところがない。おいしいものもないし、エンタメも少ない。お金を余らせている富裕層はランボルギーニなどの高級外車を買う。中間層の購買力も上がっていますが、付加価値の高い商品をたくさん買いたい富裕層がたくさんいる。今、来れば、ライバルがいないから、いろんなところにビジネスチャンスがある」と話す。
 40年前に日本で、15年前に中国で、数年前にタイで起こったことが今、ラオスで起ころうとしている。

(つづく)
【岩下 昌弘】

| (後) ≫


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