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働く女性たちが考える橋下発言問題(後)
政治
2013年5月30日 10:58

 27日、橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)は、日本外国特派員協会の報道昼食会において、いわゆる「風俗活用」発言について、米軍・米国民を侮辱する不適切な表現だったとして、撤回と謝罪を行なった。しかし、その他の従軍慰安婦問題に関する発言については、真意と正反対の"誤報"がなされているとして、遺憾の意を表明するにとどまった。一連の橋下発言を受けて、NET-IBが21日に主催した座談会の模様を紹介する。

<「女性=性の対象」と見られる不快さ>
 ――実は福岡県は、性犯罪数では、ワーストランキング上位の常連です。ほかに多いところは、東京、大阪など、風俗施設が多くあるところです。一方、風俗施設が少ない都道府県の性犯罪数は少なく、少なくとも平時においては、風俗施設と性犯罪、性暴力との関連はなさそうです。性暴力に関して感じておられることはありますか?

 Cさん 性犯罪が多いのは、若い女性が多いからかもしれません。

 Aさん 性のはけ口は必要だとは思いますが、少なくとも合意が必要です。長い間男性社会だったので、いまだに痴漢もなくなりません。(女性を性の対象と見る考え方は)戦時だけの話ではありません。痴漢や盗撮などは、性的エネルギーを発散する場をつくればなくなるというものではなく、痴漢や盗撮をすることによってスリルを感じるという趣味の問題です。

 Cさん 人によって多少は違うかもしれませんが、女性は無意識のうちに、満員電車や早朝や夜遅くの1人歩きなどは避けて生活しています。男性は、そんなことを考えることもないでしょうね。

 ――性犯罪、性暴力をなくしていくには、時間はかかるかもしれませんが、教育などを通じての解決も必要でしょうね。

 Bさん 米軍では、教育を通じての解決がなかなかうまくいっていないようですが・・・。

<発言撤回をしないことについて>
 ――ビジネスに関わっておられるお立場から、橋下氏が、問題とされた発言を意地でも撤回しないこと、それどころか、形勢が良くないなか、ツイッターで問題となった発言と同様のことを発信して傷口を広げていることについては、どう思われますか?

zadankai.jpg Aさん 絶対撤回しない、自分は正しいと思っていること自体が正しくないと思います。相手は他国であって、どうやって日本の真意を正しく伝えるかは非常に難しい問題です。たとえば、ハングルがわかっていれば、少しは違うでしょうが・・・。これまでさまざまな議員が知恵を絞ってきてもなかなか解決しなかったのだから、いくら橋下氏でも難しいと思います。

 Bさん 軍や政府が慰安婦を暴行脅迫拉致したという証拠は今のところないとされているので、一貫性のある姿勢は、応援したいと思います。従軍慰安婦問題に限らず、日本の外交は、あまりにも対米追随です。他国に対し、けんかではなく、対等にものが言える橋下氏のような若い世代が出てきたことは、喜ぶべきことです。北朝鮮では、スパイ養成で一番成績が悪い人を日本に派遣するそうです。外交が弱い、ちょろい国家だと思われていてはいけません。

 Aさん 橋下氏は、話題になっただけで成功したと思うかもしれませんが、従軍慰安婦問題については、勉強をしていないこともあって、難しかった。早い時点で撤回したほうが良いでしょう。

 ――今回、参院選前にこうした発言が行なわれたということについては、どのように考えておられますか?組織を率いるリーダーとしては、時期の選定を見誤ったのではないかと思いますが、どうですか?せめて早めに撤回、謝罪をしていれば、傷は小さくて済んだかもしれないとも思いますが・・・。 

 Aさん 発言するにしても、もっと違う時期にすれば良かったと思います。

 Bさん やり玉にあげられ、格好の攻撃材料になってしまっています。

 Cさん 橋下氏は、意固地になっている感じがします。とてもデリケートな従軍慰安婦問題では、筋を通す必要などないと思います。デリケートな問題だという意識が欠落していたのでしょうね。

 Aさん 自分が駄目になったらやりたいこともやれないのだから、まずは所属政党を大きくしてからにすれば良いと思います。もっと大切なものについて筋を通せば良かったのに、残念です。

 ――橋下氏や日本維新の会にも良い部分はあるのに、こんなことで党勢が一挙に衰えてしまうというのもどうかと思いますね。維新の側も次々とぼろを出し過ぎの感がありますが、マスコミも少し叩き過ぎかもしれませんね。


 座談会では、24日の元従軍慰安婦の韓国人女性との面談が、収束へのきっかけになるかもしれないとの意見も出されたが、結局、韓国人女性側の意向で実現しなかった。27日の日本外国特派員協会の報道昼食会後も、28日には橋下市長の訪米を断念せざるを得ないような状況に追い込まれるなど、橋下氏の発言の影響はまだ続いている。

◆出席者紹介
 今回、NET-IB主催の座談会に出席したのは、Aさん(60代)、Bさん(40代)、Cさん(20代)の3人。過去に主婦経験を持つ人も含まれるが、今は、バリバリと働いている女性たちばかりだ。
 日ごろから、女性の活用、男女共同参画の推進に尽力している人や外国での生活経験がある人もいて、様々な観点からの発言があった。

(了)
【司会・文・構成:石坂 文】

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2013年5月16日 07:00
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